2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17360466
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 広重 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70283413)
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Keywords | プロトン導電体 / 燃料電池 / 薄膜 / アノード支持 / PLD / 混合ペロブスカイト / ルテニウム |
Research Abstract |
バリウムセレート系プロトン導電体(以下、BCO)を用いた固体酸化物燃料電池の中温(400-700℃)作動について検討した。アノード支持型の薄膜燃料電池を作製するとともに、それを構成するために行った電極材料および構造について検討した。BCO電解質薄膜の堆積はパルスレーザーデポジション(PLD)法により行いった。BCOと酸化ニッケルの共焼結体を調製し、アノード基板として用いた。カソードには(Sr,Sm)CoO_<3-δ>を用いた。厚さが約5ミクロンの緻密な薄膜電解質を調製した結果、400-700℃の範囲で燃料電池の発電が可能であり、最大の出力密度は400℃および700℃においてそれぞれ30mW/cm^2、および300mW/cm^2であった。また、電解質と電極の間に、BaCe_<0.8>Ru_<0.1>Y_<0.1>O_<3-δ>の薄膜層を挿入した結果、電極過電圧が低減できることが分かった。この材料はプロトン-電子混合伝導体として働くことが分かっており、これを中間層として電極/電解質の間に挿入することで電極反応場が広がり、過電圧が低減できることが分かった。 材料探索においては、炭酸ガスとの反応性をより根本的に低減するために、プロトン導電性酸化物中のアルカリ土類金属の量を減らした組成について検討した結果、(La,Sr)(Mg,Nb)O_3混合ペロブスカイト系酸化物がプロトン導電性を示し、また、化学的安定性が高いと言われるSrZrO_3を上回る安定性を示すことが分かった。また、RuをドープしたSrZrO_3が、非常に高い導電率を示すとともに、伝導種がイオンであることが示唆される初期データを得た。これについては引き続き検討中である。
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Research Products
(5 results)