2006 Fiscal Year Annual Research Report
自律複製する染色体外遺伝因子の細胞内動態と細胞外排出を支配する分子機構
Project/Area Number |
17370002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 典明 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 助教授 (10216096)
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Keywords | Extrachromosomal element / Double Minutes / Homogeneously Staining Region / Gene amplification / Micronucleus / DNA replication / Initiation Region / Matrix Attachment Region |
Research Abstract |
(A)染色体外遺伝因子の細胞内動態と排出に及ぼす2本鎖切断の影響;我々が開発したIR/MAR遺伝子増幅法を用いて、Lac0配列をDMに組み込み、それを生細胞で可視化した。そのようなDMとγH2AXを同時に検出することにより、DM上に2本鎖切断が生じるとDMは凝集し修復が遅れること、および、凝集したDMは分裂期に細胞質に取り残され、排出の対象になることを見いだした。さらに、この発見を様々な角度から検討してデータを固めた。これは、広く自律複製する染色体外遺伝因子に適用できるため重要であり、現在投稿準備中である。(B)染色体外遺伝因子からの遺伝子発現に与える細胞内位置効果;微小核内や、核内の様々な位置に局在したDMからの遺伝子発現を、特定のDNAとRNAを同時に検出するFISHの実験系や、生細胞内で特定のDNAとRNAを可視化する実験系を樹立し、詳細な検討を行った。得られた成果は、とりまとめて現在投稿中である。(C)染色体外遺伝因子の安定性を支配するシス構造の解明;HSRの形成を指標として哺乳動物複製開始領域(IR)を絞り込み、HSR形成を強く誘導する必要不可欠な最小領域を同定した。このような方法は、哺乳動物複製開始配列を解析するための画期的な方法となった。このような成果をとりまとめてJ.Cell.Biochem.誌に公表した。(D)染色体外遺伝因子によるHSRの形成機構;HSRの形成に、導入するプラスミドの形状、用いる細胞株の種類、培養時の酸素濃度、DNAメチル化やヒストンアセチル化等がどのように影響を与えるかを検討し、重要な知見が得られた。(E)簡便に遺伝子増幅を誘導できる新規実験系を用いた有用蛋白質大量生産系の樹立;特許申請を新たに2件行うとともに、ここまでの成果をとりまとめてJ.Cell.Biochem.誌に公表した。
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Research Products
(6 results)