2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウスshh翻訳領域から1Mb離れて存在する四肢特異的なシス制御因子
Project/Area Number |
17370003
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90171058)
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Keywords | 比較ゲノム / 四肢発生 / シス制御因子 / 多指症マウス変異 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
(1)哺乳類-魚類間で保存されている非翻訳配列MFCS2およびMFCS3のノックアウトマウスの作製 MFCS1配列からShh遺伝子側には、ヒト-マウス-メダカを通して進化的に良く保存された非翻訳配列であるMFCS2およびMFCS3が見いだされている。これらの保存配列の機能解析のため、MFCS2とMFCS3を各々Neoカセットで置き換える単純なターゲティングベクターによるES細胞を用いた相同組換え実験を行った。現在、目的のES細胞を用いたキメラマウスからノックアウト・アリルが生殖細胞へ伝達した個体が得られており、MFCS2とMFCS3のノックアウトマウス個体の四肢形態表現型の解析を進めている。特に、四肢形成不全が見られるかどうか骨標本を作製して解析する。MFCS1 KOマウスと異なる表現型が示されるかどうか、特に四肢の先端部の骨形成に留意して調べている。 (2)シス因子の分子生物学的な機能解析 Shh-LacZ融合レポーター遺伝子のトランスジェニックマウス作製によるシス制御配列の機能解析を行った。このため、基本プロモーターとしてhsp68配列やShh遺伝子の翻訳開始点を含む約1.2kbのプロモーター配列に、レポーター遺伝子LacZが挿入した。この配列にエンハンサー活性をもつShh遺伝子のシス因子(シス候補因子)やシス因子を人工的に改変したDNA断片を結合したプラスミドベクターを作製した。エンハンサー活性は、トランスジェニックマウスの発生胚を対象に、LacZ染色によって解析した。この結果、MFCS1配列のみで、マウス発生胚の肢芽の後端のZPA領域での特定的はShh遺伝子発現が再現できた。また、軸前側多指症を示すマウス突然変異体のMFCS1配列を導入したトランスジェニックマウスでは、肢芽の前側での異所的な発現が観察され、多指症の原因が単一の塩基置換によって起こることを直接的に証明することができた。
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Research Products
(1 results)