2006 Fiscal Year Annual Research Report
システムアプローチによる微小節足動物群集の構造と機能の解明
Project/Area Number |
17370005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 裕 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (20142698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 壮則 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (80206755)
佐原 健 北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (30241368)
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Keywords | 生物圏現象 / 行動学 / 進化 / 動物 / 群集 / ハダニ / カブリダニ / ナガヒシダニ |
Research Abstract |
●群集構成の調査:イネ上科クマイザサ(北海道全域)、ススキ(九州、四国)を対象とした調査を継統し、天敵類と植食ダニ類のフォウナをほぼ把握した。 ●構成種の分子系統および個体群構造:科研支援員の協力の下に、ハダニ類の分子系統および個体群間の血縁度を測定するためのマイクロサテライトおよびrDNA 28S領域等の解析を開始した。現段階で、複数のマイクロサテライト領域を特定し、具体的に利用可能な変異を抽出中である。 ●システムズモデル構築:前年度に骨格を完成させた差分型のシミュレーションモデルに、具体的なパラメータの移植作業を実施しているが、その過程で見いだされた関係データの不足部分を逐次実験によって埋める努力を行っている。その過程で、天敵との相互作用が直接種分化に関与したとみられる事例が2つ、寄生植物の転換が作用したことを示す例が1つ、その間接的証拠が2つ得られた。後者については、平成19年3月の日本応用動物昆虫学会で発表した。 ●モデル検証実験:シミュレーションモデルの実効性テストを行うために、昨年度来コントロールされた環境(閉鎖系)で半野外的な条件を再現できる飼育室の整備を行った。そこでササ、タケおよびススキのポット栽培が良好な条件で可能となることが分かったが、一方で厳冬期にはどうしても湿度コントロールに問題があって、ダニ類の生存率が落ちていることがわかった。本年度の冬期間に、この湿度コントロールに重点をおき、ほぼ問題を解決できたので、来年度の長期間の本格的な実験に向けて希望が持てるようになった。 ●成果の発表:本研究の成果を中心とした内容を国際ダニ学会のシンポジウム招待講演(アムステルダム、平成18年8月)において発表した。
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Research Products
(5 results)