2005 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィルdの分布とAcaryochlorisの微生物生態学的解析
Project/Area Number |
17370009
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 英明 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (50323746)
|
Keywords | クロロフィル d / Acaryochloris / PCR-DGGE |
Research Abstract |
平成17年度は、淡路島をモデルサイトとして、海藻に付着するAcaryochloris属シアノバクテリアを検出する方法を構築した。具体的には、1)海藻サンプルを主とする天然サンプルからの総DNAの抽出・精製方法を開発した。これまで、海藻からのDNA抽出・精製に用いられた方法を組み合わせ、DNA以外の多糖物質の効率的な除去を、塩析法を用いて構築し、解析に適したDNAサンプルの取得法を得た。2)PCR-DGGE法を用いて、海藻に付着あるいは共生しているAcaryochloris属シアノバクテリアを検出する方法を開発した。PCR条件を至適化することによって、シアノバクテリアに特異的な既報のPCRプライマーを用いて、海藻に付着するすべてのシアノバクテリアのSSU rDNAを増幅し、DGGE法によって解析することを可能にした。3)さらに、Acaryochloris属シアノバクテリアのSSU rDNAを特異的に増幅できるプライマーを設計・評価し、DNAサンプル中におけるAcaryochloris属シアノバクテリアの有無を容易に検出できる方法を開発した。また、4)Acaryochloris属シアノバクテリアに特異的なプライマーを用いたPCRおよびDGGE解析によって、遺伝子型の異なるAcaryochloris属シアノバクテリアの存在を検出できることを明らかにした。さらに、新たな分離源からのAcaryochloris属シアノバクテリアの分離の試みとして、5)南アフリカ沿岸の海藻サンプルから、インド洋において初めての報告となるAcaryochloris属シアノバクテリアの分離・培養に成功した。
|