2005 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリン受容体とラプシン複合体の構造機能研究
Project/Area Number |
17370042
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮澤 淳夫 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, チームリーダー (60247252)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 有里 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, 連携研究員 (20342826)
|
Keywords | アセチルコリン受容体 / 受容体結合蛋白質 / 蛋白質複合体 / 電子顕微鏡 / シグナル伝達 / シナプス / 神経化学 / 結晶成長 |
Research Abstract |
今年度はニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)の二次元結晶化と、ラプシンの三次元結晶化、ならびにAChRとラプシンの複合体形成に関する検討を行った。 AChRの二次元結晶化は2つのアプローチから検討を行った。1つ目の方法としては、シビレエイの電気器官のポストシナプス膜から界面活性剤を用いてAChRを可溶化、カラムを用いて大量精製し、様々な脂質、緩衝液を用いてリポソーム膜への再構成・二次元結晶化を試みた。AChRを効率よく再構成することはできなかったが、ジミリストイルホスファチジン酸とホスファチジルコリンを混合したリポソームを用いて再構成を行った場合にのみ、不均一ではあるがAChRと脂質二重膜との相互作用が認められた。2つ目の方法としては、ポストシナプス膜からAChRを可溶化することなく、膜内で再配列させる方法を検討した。電気器官より調製した膜画分を適当な緩衝液でホモジナイズし、インキュベートすることにより、二次元結晶化の条件を検討した。その結果、インキュベートを1週間以上行うとチューブ状結晶が出現し始めるが、それより早い段階で、AChRが二次元結晶状に並んだ小さな領域が生じることが分かった。また、この領域を高速フーリエ変換することにより回折点を確認できた。 ラプシンに関しては、大腸菌での発現、精製が可能な2つの部分配列を大量精製し、三次元結晶化の検討を行っているが、現在までに結晶は得られていない。一方、昆虫細胞を用いた系では、全長のラプシンの発現、精製が可能であることを確認した。さらに、AChRとの複合体形成、および構造解析のために、精製したラプシンのAChR結合領域と、AChRの細胞内領域の相互作用解析を行った。しかし、相互作用が確認できなかったことから、今後、異種発現系で得られるラプシンが正しい立体構造をとっているか、検討を行う必要があると考えている。
|
Research Products
(1 results)