2006 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリン受容体とラプシン複合体の構造機能研究
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17370042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮澤 淳夫 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, チームリーダー (60247252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 有里 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, 研究員 (20342826)
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Keywords | アセチルコリン受容体 / ラプシン / 二次元結晶化 / 脱感作 / シビレエイ / ショ糖密度勾配遠心分離 / 再構成 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
脱感作状態のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の二次元結晶化を2つのアプローチから検討した。1つ目の方法は、凍結品として購入したシビレエイの電気器官のポストシナプス膜から界面活性剤を用いてnAChRを可溶化・精製し、様々な脂質、緩衝液を用いてリボソーム膜への再構成し二次元結晶化を試みる方法である。nAChRはカラム精製すると非常に分解しやすいが、ショ糖密度勾配遠心分離によりnAChRを豊富に含むポストシナプス膜を分画することで、カラムを用いた時と同程度の純度でnAChRを精製できることが分かった。また、得られた分画を様々な界面活性剤を用いて可溶化し、その状態を電子顕微鏡で観察したところ、従来用いていたTritonX-100では分解物を生じやすいが、ドデシルマルトシド(DDM)、C_<12>E_8、C_<10>E_5、C_8E_6でタンパク質が比較的安定に分散することが分かった。さらにDDMを用いて可溶化したタンパク質は、ボスファチジルセリンを添加して透析することにより大きな膜が生じることが分かった。また、C_8E_6を用いて可溶化すると、ある種のホスファチジルエタノールアミンを添加することにより大きなベシクルを形成することが分かった。 2つ目の方法は、ポストシナプス膜からnAChRを可溶化することなく、膜内で再配列させる方法を検討した。凍結品ではなく生の電気器官を用いた方が二次元結晶状に並んだ領域を生じやすいという昨年度の結果から、実験用サンプルを安定に供給できるように、日本国内の漁港からシビレエイを入手できるルートを確保した。このシビレエイから電気器官を取り出し、nAChRのアゴニストを加えて脱感作状態とし、二次元結晶化条件を検討中である。 また、ラプシンとnAChRの結合部位を特定するために哺乳動物細胞における発現用のnAChRの各サブユニットの発現コンストラクトを作製した。
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