2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内イオン環境制御とイオン輸送膜蛋白質の機能・制御の分子的基盤
Project/Area Number |
17370046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金澤 浩 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (50116448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 恵一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80032283)
三井 慶治 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (60379279)
松下 昌史 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (50403100)
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Keywords | 塩環境適応 / 生体膜輸送 / イオン環境制御 / 遺伝子工学 / 細胞内局在化 |
Research Abstract |
細胞内のイオン環境とりわけpHとNa^+濃度は恒常的に保たれており、細胞膜や細胞内小胞膜に存在するNa^+/H^+交換輸送蛋白質(NHEまたはNha)がこの制御において、中心的な役割を果たしている。このNa^+/H^+交換輸送蛋白質のイオン結合部位やイオン透過・制御の仕組みを生物種を超えて比較し、明らかにすることを研究目的とした。成果は、次の3点に亘る。(1)ピロリ菌のNhaAの機能変異体の解析を行ってきたが、この成果の一部をBiochemistry誌に発表できた。さらに結晶構造決定を目指し、大量にピロリ菌Nhaの大量精製評品の調製に成功し、一部結晶が得られた。しかし、構造決定には至っていない。さらにNhaA分子を分断化し部分構造の安定性、また分断化したものからの機能NhaAの再構成を調べた。その結果、12回の膜貫通領域のN末端8とC末端4の貫通領域を独立に大腸菌内で発現しても機能あるNhaA分子を再構成できることなど含めて多くの新知見を得た(2007年3月米国生物物理学会発表、論文準備中)。(2)哺乳類のNHEに相互作用するCHPについて遺伝子欠失細胞を確立した。この細胞ではNHEの量が正常の数%に減少すること、CHP遺伝子の再発現でこの減少が回復することを発見した(Amer.J.P印刷中)。さらにCHPのない状態のNHEはほとんど細胞内膜系に存在し、CHPの過剰発現により細胞膜へ移行することを明確にした。さらに、細胞内膜系NHE6と7について、それぞれの細胞内局在化機構に関わるNHE分子内構造を明らかにした(論文準備中)。(3)酵母の細胞質膜局在性のNhaと細胞内膜局在性のNhxを精製し、脂質膜へ再構成することに成功した。しかし、いずれも輸送機能は現在のところ極めて低く、今後この理由を解明する必要がある。以上の内容を2006年夏に開催したシンポジュームや、国際生化学会において発表した。
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Research Products
(3 results)