2006 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達分子アンカリング蛋白質による中心体・ゴルジ体の機能制御
Project/Area Number |
17370049
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 功貴 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (10243297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 秀幸 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (80252758)
高橋 美樹子 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 講師 (90324938)
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Keywords | 蛋白質リン酸化酵素 / PKN / アンカリング蛋白質 / CG-NAP / 中心体 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
中心体・ゴルジ体は、細胞増殖・細胞周期において極めて厳密にその構造的・機能的変動が制御されている細胞内小器官で、その制御異常は多くの癌細胞で中心体の異常複製が観察されるなど、種々の疾患とも関連している。本研究では、この中心体とゴルジ体に局在する巨大アンカリング蛋白質CG-NAPの解析を通して中心体・ゴルジ体の機能制御、特に中心体複製・ゴルジ体の断片化・再構築の分子メカニズムを明らかにすることにより細胞増殖・細胞周期制御機構の解明の一助とすることを目的とした。以下に本年度得られた研究実績の概要を記す。 CG-NAP (centrosome and Golgi localized PKN-associated protein)のゴルジ体局在機構および中心体分離における機能の解析を行った。CG-NAPのゴルジ体局在は微小管に依存し、またCG-NAPが微小管および細胞質ダイニンのサブユニットp150^<Glued>に結合することを見出した。細胞の微小管脱重合あるいは細胞質ダイニンの活性阻害からの回復過程におけるCG-NAPの挙動等の解析から、CG-NAPは細胞質ダイニンに結合して微小管マイナス端側(中心体側)へ輸送された後にゴルジ体に局在することが明らかになった。またCG-NAPおよび類縁中心体蛋白質であるkendrinの発現抑制をかけた細胞において中心体分離頻度が上がることを見出した。中心体分離はM期の紡錘体極形成直前のG2後期に起こり、複製後の2つの中心体を繋ぐcohesion蛋白質複合体の蛋白質リン酸化酵素Nek2Aによるリン酸化が必要であると報告されている。CG-NAPおよびkendrinがNek2Aと結合すること、さらに結合しているNek2Aは高リン酸化型で活性がほとんど無いことを見出した。CG-NAPとkendrinはNek2Aを不活性な状態で中心体にアンカーしてG2後期まで中心体分離を抑制している可能性が示唆される。
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Research Products
(4 results)