2007 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達分子アンカリング蛋白質による中心体・ゴルジ体の機能制御
Project/Area Number |
17370049
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 功貴 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 教授 (10243297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 秀幸 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 准教授 (80252758)
高橋 美樹子 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 講師 (90324938)
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Keywords | 蛋白質リン酸化酵素 / PKN / アンカリング蛋白質 / CG-NAP / 中心体 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
中心体・ゴルジ体は、細胞増殖・細胞周期において極めて厳密にその構造的・機能的変動が制御されている細胞内小器官で、その制御異常は多くの癌細胞で中心体の異常複製が観察されるなど、種々の疾患とも関連している。本研究では、この中心体とゴルジ体に局在する巨大アンカリング蛋白質CG-NAPの解析を通して中心体・ゴルジ体の機能制御、特に中心体複製・ゴルジ体の断片化・再構築の分子メカニズムを明らかにすることにより細胞増殖・細胞周期制御機構の解明の一助とすることを目的とした。以下に本年度得られた研究実績の概要を記す。 ゴルジ体は哺乳類細胞において中心体近傍に1つの連続したリボン状構造として形成されるが、その意義や形成機構についてはほとんど明らかにされていない。CG-NAPのゴルジ体局在を阻害した細胞においてゴルジ体が断片化することを見出した。このような細胞において細胞膜蛋白質の輸送や糖鎖修飾はやや遅れるものの起こることから、ゴルジ体として機能的なユニットは形成されていると考えられた。CG-NAPはゴルジ体のユニットが連結され、より機能的な一つのリボン状構造を形成する段階に必要であることが示唆された。複製後の2つの中心体は近接して保持され、M期の紡錘体極の形成に先立ちG2後期に中心体間の蛋白質複合体が蛋白質リン酸化酵素Nek2Aにリン酸化されることにより分離する。CG-NAPおよびkendrinの発現抑制により中心体分離の頻度が上昇し、またこれらが高リン酸化型で活性の無いNek2Aと結合することから中心体におけるNek2A活性の抑制制御に関わる可能性が考えられる。Nek2A活性の抑制機構について、リン酸化、結合などについて検討中である。
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Research Products
(9 results)