2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質mRNAスプライシングによる小胞体ストレス応答の制御
Project/Area Number |
17370061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 秀郎 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60378528)
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Keywords | スプライシング / 小胞体ストレス / 転写制御 / ストレス応答 / シャペロン / タンパク質分解 / 転写因子 / 細胞質スプライシング |
Research Abstract |
細胞が小胞体ストレスを受けると、XBP1の前駆体mRNAがスプライシングされて成熟型mRNAとなり、この成熟型mRNAから活性型転写因子pXBP1(S)が翻訳されて標的遺伝子の転写を活性化することで小胞体ストレス応答が誘導される。このXBP1のスプライシングは細胞質スプライシングと呼ばれ、従来よく知られている核で起こるスプライシングとは異なる新規のスプライシング機構である。細胞質スプライシングと核スプライシングは分子機構が全く異なるだけでなく、その生物学的意義にも大きな違いが存在する。すなわち、細胞質スプライシングであれば、細胞質で翻訳に供しているmRNAを細胞内外の状況に応じてそのままスプライシングして別のタンパク質をコードするように変化させることができるため、非常に迅速かつ無駄なく応答することが可能である。前年度の研究によって、細胞質スプライシングを受ける前の前駆体mRNAには、活性型転写因子pXBP1(S)の分解を促進する負の制御因子pXBP1(U)がコードされていることを明らかにした。 今年度は、(1)pXBP1(U)が小胞体ストレス応答を制御する別の転写因子pATF6(N)の分解も促進すること、(2)XBP1前駆体mRNAが小胞体膜上に存在すること、(3)XBP1のスプライシングと促進する因子を探索することを行った。これらの成果から、pXBP1(U)が小胞体ストレス応答の2つの経路(ATF6経路とIRE1-XBP1経路)の両方の負の制御因子であること、またXBP1の細胞質スプライシングが小胞体膜上で起こることを明らかにし、更にスプライシングを促進する因子の候補CSPF1を単離することに成功した。今後は、CSPF1の作用機序を明らかにすることによって細胞質スプライシングの分子機構を明らかにしようと考えている。
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Research Products
(8 results)