2007 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームRNA遺伝子における増幅誘導配列(EXP)の機能解析
Project/Area Number |
17370065
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小林 武彦 National Institute of Genetics, 細胞遺伝研究系, 教授 (40270475)
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Keywords | リボソームRNA遺伝子 / 遺伝子増幅 / noncodingプロモーター / DNA損傷薬剤 / サイレンシング / 組み換え / 姉妹染色分体結合 / DNA修復 |
Research Abstract |
リボソームRNA遺伝子(rDNA)は150コピーからなるタンデムリピートを形成する反復遺伝子である。通常反復遺伝子はリピート間での組み換えによりコピーが脱落し不安定になるが、rDNAは独自のコピー数維持機構を有しておりコピー数を安定に保っている。しかし不思議な事にこれらコピーの半分は転写されていない。本研究の最終的な目標はそのコピー数調節機構を担う遺伝子増幅作用の分子メカニズムとコピー数を150に保つ生理的な意味を解明することにある。報告者らのこれまでの研究でrDNAが不安定化するsir2変異株ではDNA損傷薬剤であるMMSに感受性になることを見出している。Sir2タンパク質はrDNA以外のところでも働いていることが知られているので、本年度はまずこの現象がrDNAに依存したものであるか否かを調べた。その結果rDNAをすべて欠損させたsir2変異株で同様のMMS感受性テストを行ったところ、コントロールのrDNA欠損のSIR2正常株と感受性において差が見られなかった。つまりsir2変異株はrDNA依存的にMMSに感受性になっていることが判明した。そこでさらにrDNAとDNA損傷薬剤耐性との関係を調べるため、rDNAのコピー数を減少させた株を用いて調べた。その結果、面白い事にrDNAのコピー数が減るに従って細胞がMMSに感受性になっていくことが判明した。またこの感受性はrDNAの転写を阻害すると見られなくなることから、コピー数が減少し1コピーあたりの転写量が増大する事が原因と考えられる。現在さらに分子メカニズムを解析している。
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Research Products
(17 results)