2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17370066
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山梨 裕司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40202387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 理 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50361720)
真嶋 隆一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00401365)
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Keywords | シグナル伝達 / 蛋白質 / 組織・細胞 / アダプター / リン酸化 |
Research Abstract |
チロシンキナーゼは細胞外環境からの情報が細胞内シグナルへと変換される際に必須のシグナル分子であり、その多くは、ドッキング蛋白質と呼ばれるアダプター分子をリン酸化することによって細胞内シグナルを適切に制御している。申請者らは、新規ドッキング蛋白質として発見したDok-1とその類縁分子であるDok-2がサイトカイン受容体やB細胞抗原受容体、LPS受容体(TLR4)の下流において、Ras-Erkシグナル系の抑制を通じて骨髄球系細胞の造血や自然免疫応答の恒常性の維持に必須のシグナル分子として機能していることを解明してきた。さらに、本年度の研究においては、Dok-1/2がT細胞受容体(TCR)シグナルに対しても抑制的に機能し、獲得免疫の負の調節因子として機能していることを明らかにした。興味深いことに、両分子のTCRシグナルに対する抑制機能にはC末端側のSH2結合配列は不要であった。この知見は、従来知られているアダプター分子としての機能とは異なる、新たなDok-1/2の作用機構を意味するものと言える。また、既に、Dok-1/2/3三重欠損マウスの樹立にも成功し、造血系細胞に高発現するDokファミリー分子全体の機能解析を進めている。 他方、我々は新規のDokファミリー分子としてDok-7(MSAPより改称)を同定し、それが、筋特異的な受容体型チロシンキナーゼであるMuSKの活性化因子として機能し、MuSKと同じく、神経筋接合部の形成に必須であることを発見した。さらに、神経筋接合部の形成異常を伴う肢帯型の先天性筋無力症がdok-7遺伝子の両アレル性の変異によって発症することを世界に先駆けて解明した。これらの発見は、細胞内因子による受容体型チロシンキナーゼの活性化と言う未知の分子機構の存在を意味するだけでなく、今までその原因が不明であった筋無力症の診断法を提示し、また、その治療法開発の基盤となる重要な知見である。
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Research Products
(4 results)