2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17370078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (70178002)
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Keywords | メダカ / 突然変異体 / ポジショナルクローニング / 骨 / 心臓 / ヒレ |
Research Abstract |
突然変異体スクリーニングの結果、現在までに収集した突然変異体として、心臓・血管系の異常を示すものが59系統、血球異常9系統、骨のパターン形成異常19系統、鰭の異常25系統、尾鰭の再生異常16系統などがあり、特にゼブラフィッシュでは全く単離されていない椎骨形成不全や、発生は正常でヒレ再生のみ異常な変異体の単離に成功している。突然変異体の中には、ヒトの先天的疾患と対応する表現型のものが多数含まれ、さらに原因遺伝子がヒト遺伝病と同じものとして、ヘモグロビン合成の酵素であるALAD遺伝子の同定とそのメダカ変異体whoの確立に成功しており、ヒトのポリフィリン血症の原因遺伝子と同じことから、メダカ突然変異体が疾患モデルとしても有用であることが実証されている。このように得られた器官形成突然変異体166種類から、特に重要な20種類については原因遺伝子の同定を行い、心臓・血管、ヒレ形成、骨に関わるメダカ突然変異体からポジショナルクローニングにより6つの原因遺伝子のクローニングに成功している。その多くがそれぞれの器官形成に関して新規の遺伝子であり、新しいメカニズムの発見が期待される。特にヒレの伸張にかかわる遺伝子としてHoxb8が同定され、Hoxb8がWnt5aを制御することによりヒレを構成する細胞の移動がおこり、その結果ヒレの伸張と鰭条形成がもたされることが明らかになった。この結果はHoxb8による付属肢形成の分子メカニズムを示した初めての知見である。また、血管システムや骨のパターン形成の解析のため、これらの器官特異的にGFPを発現するトランスジェニックメダカを作成することに成功している。このような総合的な解析にはメダカ各器官の組織学的解析、発生生物学的検討が必要だが、我々は各メダカ器官固有の遺伝子の収集に努め、その発現解析を行うとともに発生過程における組織学解析を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Medaka unextented-fin mutants suggest a role for Hoxb8a in cell migration and osteoblast differentiation during appendage formation2006
Author(s)
Sakaguchi, S., Nakatani, Y., Takamatsu, N., Hori, H., Kawakami, A., Inohaya, K., Kudo, A.
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Journal Title
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[Journal Article] Messenger RNA expression of Periostin and Twist transiently decrease by occlusal hypofunction in mouse periodontal ligament.:2005
Author(s)
Afanador, E., Yokozeki, M., Oba, Y., Kitase, Y., Takahashi, T., Kudo, A., Moriyama, K.
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Journal Title
Arc.Oral Biol. 50
Pages: 1023-1103
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[Journal Article] Periostin is an extracellular matrix protein required for eruption ofincisors in mice
Author(s)
Kii, I., Amizuka, N., Minqi, L., Kitajima, S., Saga, Y., Kudo, A.
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Journal Title
Biochem.Biophys.Res.Com. (in press)
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