2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17370087
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関本 弘之 日本女子大学, 理学部, 助教授 (20281652)
西井 一郎 理化学研究所, 和光中央研究所, 独立主幹研究員 (80392059)
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| Keywords | 配偶子 / 進化 / 性特異的遺伝子 / ボルボックス目 / 同型配偶 / 異型配偶 / 緑藻類 / 接合構造 |
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| Research Abstract |
これまでの我々の系統学的研究から群体性ボルボックス目では群体の細胞数の増加と共に同型配偶から異型配偶への進化が起こったものと推測されていた。また、近縁な単細胞性のクラミドモナスにおいては、交配型に特異的な性決定遺伝子等が報告されている。しかし、群体性ボルボックス目の交配型特異的な遺伝子の知見はまったくないものと思われた。
本年度は群体性ボルボックス目の異型配偶のプレオドリナ雄株の雄性配偶子を誘導した培養液から抽出したRNAを縮重プライマーでRT-PCRした結果、クラミドモナスでマイナスの性を決定しているmidに類似した配列の遺伝子を単離することに成功した。本遺伝子はクラミドモナスの優性の性(マイナス)決定遺伝子Midと同じく、約150アミノ酸をコードし、3'側にロイシンジッパーとRWP-RKドメインをもっていた。核ゲノム配列を決定した結果、intron-exon構造も基本的にはクラミドモナスと同一であった。サザンブロットの結果、本遺伝子は雄株に2コピー存在し、雌株には存在せず、雄株の性特異的な染色体構造を構成しているものと考えられた。また、真核生物に広く存在するRWP-RKドメインをもつ配列を遺伝子データバンクから抽出して系統解析を実施した結果、クラミドモナスの2個のMid蛋白質と今回のプレオドリナの配列は単系統群を構成し、他のRWP-PKドメインとは独立に進化したことが明らかとなった。従って、Midをもつクラミドモナスの優性の交配型は異型配偶の雄(小さな配偶子)に相当することが推測された。これは同型配偶の交配型と異型配偶の雄を遺伝的なデータで関連づけた最初のものでもある。また、プレオドリナMidは雄性配偶子形成時に強く発現することが明らかとなった。
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