2006 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方にアイヌの足跡を辿る-発掘人骨の形態学的・遺伝学的研究-
Project/Area Number |
17370089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
百々 幸雄 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50000146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 博文 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70209617)
安達 登 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (60282125)
瀧川 渉 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90323005)
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究員 (70333789)
鈴木 敏彦 東北大学, 大学院歯学研究科, 助手 (70261518)
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Keywords | 人類学 / 古人骨 / 東北地方 / 江戸時代 / 奈良・平安時代 / 古墳時代 / 古代蝦夷 / 北海道アイヌ |
Research Abstract |
1 東日本縄文人、北海道続縄文人、九州古墳人、関東古墳人、東北古墳人、東北古代人、関東鎌倉時代人、九州江戸時代人、府内江戸時代人、南東北江戸時代人、北東北江戸時代人、北海道アイヌ頭蓋の計測的および非計測的データのデータベース構築が完了した(百々・川久保)。東北地方の江戸時代人は東北北部でも関東地方と大きく変わることがないのに、古墳時代の東北地方には縄文人的特徴を残す人々が住んでいたことが示唆された。 2 東北地方中央部江戸時代遺跡人骨と近現代東北地方人頭蓋の歯の計測的・非計測的データを収集した(松村・鈴木)。東北地方中央部江戸時代人(河崎の柵擬定地遺跡)の歯は府内江戸時代人とほとんど変わらないことが示された。 3 宮城県石巻市梨木畑貝塚と山形県酒田市秋穴洞窟出土の古墳時代〜古代人骨からミトコンドリアDNAを抽出し解析した(安達)。秋穴人骨のDNAは現代東北地方人と変わるところはなかったが、梨木畑貝塚人骨には北海道に特有なDNAハプロタイプが認められた。 4 東北地方の江戸時代、古代、古墳時代遺跡から出土した人骨すべての四肢骨計測値データベースの構築が完了した(瀧川)。 5 大腿骨の骨頭窩の形態変化から年齢を推定する方法を開発し、それを年齢・性別既知の東北地方近現代人骨に適応したところ好成績をおさめた(坂上)。今後この方法を用いて東北地方古人骨の年齢推定を行う。 6 岩手県二戸市九戸城跡から出土した中世人骨群にみられた多数の殺傷痕の記載が完了した(百々)。文献史学との共同研究からこの人骨は天正19(1591)年九戸城落城時の籠城者のものであると結論した。
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Research Products
(6 results)