2005 Fiscal Year Annual Research Report
農山村における文化的景観の景観構造および境界形態に関する研究
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17380018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下村 彰男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20187488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 良平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40272439)
黒田 乃生 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (40375457)
伊藤 弘 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60345189)
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Keywords | 文化的景観 / 景観構造 / 農山村 |
Research Abstract |
・全国的に事例を収集し、文化的景観の景観構造に関してパターン分類を検討するにあたって、山間部の京都府美山町(現南丹市)北村、岐阜県白川村荻町、福島県下郷町大内宿の3集落に関して詳細な景観調査を実施した。 ・これら3集落は、それぞれに特徴的な景観構造を有しており、特に、集落が立地する地形および生業により異なっている。旧美山町北村は、森林を背にして家屋が集合し全面に田畑が展開し、白川村荻町は家屋が分散しその周囲に田畑が存在している。一方、半農半宿の生業を有する下郷町大内宿は、家屋集合が森林から離れ、その間に田畑が展開するという景観構造である。 ・そして詳細調査の結果、これら集落全体の景観構造を支え、秩序化するヒューマンスケールでの景観構造が存在することが明らかとなった。 ・旧美山町字北は、緩い斜面地に家屋群が集積しているため、低地の道路や田畑から屋並みが見える景観が特徴となっている。そして、傾斜に沿って、道路から森林に至る景観構造が明確に視認される点も特徴と言える。白川村荻町は、雪深い気象と大家族制度の生活様式により形成された、農地と家屋との境界に囲障がなく、家屋が群状に重なって見える景観が、一つの特徴的な景観ユニットとなっている。下郷町大内宿は「農」を支える、集落→畑→田→森林という東西軸と、会津西街道沿いに宿が並ぶ「宿」を支える南北軸との交点に「オモテ」と呼ばれる空間が存在し、農と宿の接点となるとともに、家屋が軒を接し連続するのではなく、隙間を有して断続する大内宿の景観的特徴となっている。
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Research Products
(1 results)