2005 Fiscal Year Annual Research Report
快適で永続的な居住環境創造のための田園空間の再生と利用に関する研究
Project/Area Number |
17380019
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 精晤 信州大学, 農学部, 教授 (50021085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 邦博 信州大学, 農学部, 教授 (10178642)
大窪 久美子 信州大学, 農学部, 助教授 (90250167)
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
星川 和俊 信州大学, 農学部, 教授 (40115374)
中村 寛志 信州大学, 農学部, 教授 (70123768)
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Keywords | 田園空間 / 居住環境 / 森林 / 棚田 / 里山 / 山岳 |
Research Abstract |
快適で永続的な居住環境創造のための田園空間の再生と利用に関して、本年度は居住環境の生活域として広域生活圏を、自然環境として山地域に囲まれた流域圏という永続的な居住環境の単位に想定した。この流域・広域生活圏では都市地域と農村地域と自然地域の拡大、縮小の関係として時代的な変動が進行しており、相互に様々な問題が生じている。これらは問題の性質に応じて専門的に究明した上、専門間の検討のもとで農村地域が居住環境を田園空間の快適さに向上させるための総合化を行う必要がある。本年は各地域の諸問題を計画、工学、生態の専門の立場で研究する基礎的段階として展開した。 流域・広域生活圏の中心部を構成する都市地域に関して周辺に残存する田園地域の特に森林の緑地・景観効果が捉えられた。また、歴史的な田園要素として、城下町の水路を取り上げ、生活空間としての効果とその維持、管理の持続が考察された。 田園地域は都市地域周辺部から山麓まで展開し、居住環境としての評価が高い一方で、農業の衰退が顕著となり、その持続が問題となることが考察された。特に山間地の棚田では農業維持が困難である点で今後の持続に問題があり、所有者の意識と支援体制が検討された。また、自然の衰退と回復を、生物を指標として捉える方法が検討され、また、貴重種の保全や生物多様性の確保が考察された。 里山は、田園地域の一部を構成するが、山林利用の長期の衰退によって多くが放置されており、公園的利用などに転換することにより、活性化が図られる必要がある。この転換の方法や森林の快適さに関して基礎的に明らかにすることが取組まれた。 山岳地域は流域・広域生活圏の外縁部にあり、自然環境が維持されているが、利用が集中する場所で希弱な自然環境が破壊的な状態となり、その再生、保全の方法が問題となっている。破壊の生物指標、影響、保全・回復の方法が検討され、利用のあり方が問題とされた。
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Research Products
(6 results)