2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による果実の細胞壁分解機構の解析と形質転換による鍵因子の決定
Project/Area Number |
17380024
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保 康隆 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80167387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 龍平 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (70294444)
江面 浩 筑波大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00332552)
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Keywords | 果実軟化 / YSST解析 / 細胞壁 / DNAアレイ / 1-MCP |
Research Abstract |
セイヨウナシ果実からインベルターゼ欠損酵母を利用したYSST法によって、約700個の細胞壁関連遺伝子断片をクローニングした。得られた全ての遺伝子断片の塩基配列を読み取り、アミノ酸配列を推定した。専用ソフトウェアーを用いて解析し、約70のコンティグと100個のシングルトンガ得られた。これらの情報を遺伝子データベースに送り、Blast検索を行い、アノテーションを行った。約8割のクローンには何らかのアノテーションが得られたが、残りは対応する遺伝子情報が無く新規性の高いクローンと思われた。さらに、シグナルPソフトウェアーを用いて細胞外分泌シグナルを解析したところ、4個以上のクローンからなるコンティグの90%以上にはシグナルペプタイドと想定できる配列が存在していた。一方、3個以下のクローンからなるコンティグとシングルトンにでは約30%のクローンに細胞外に分泌するためのシグナルペプタイドが存在しなかった。そこで、シグナルペプタイドを持たない、3個以下のクローンからなるコンティグとシングルトンは擬陽性クローンと判断し、以後の解析からは除外した。その結果、本実験で得られた細胞外因子クローンは170個であった。 得られたクローンを用いてDNAアレイを作成し、遣伝子発現特性を解析した。その結果、セイヨウナシの軟化に伴って顕著に発現が増加または減少したクローンが28個得られた。これらの中には、以前に軟化に伴って発現増加を示したPGやエクスパンシンが含まれていた。また、アノテーションができない新規クローンの3種および数種の因子は1-MCP処理によって発現レベルが成熟前のレベルに戻るパターンを示し、成熟しても軟化しないチュウゴクナシでは変化しなかった。したがって、これらが新規軟化鍵因子の重要な候補であることが特定された。
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