2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380028
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
阿久津 克己 Ibaraki University, 農学部, 教授 (10151002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雅己 茨城大学, 農学部, 准教授 (70301075)
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Keywords | Botrytis cinerea / 病原性関連遺伝子 / シグナル伝達係 / Gβタンパク質 / Botrytis tilipae / 遺伝子破壊 / Gαタンパク質 |
Research Abstract |
Botrytis cinereaの病原性に関与するGαタンパク質BCG3とGβタンパク質であるBCGB1の相互作用を酵母two-hybrid法により調査したところ,それらが相互作用しないことが明らかとなった.そこで,酵母two-hybrid法を用いてBCG3と相互作用するタンパク質の探索を試みた.様々な条件下でbcg3の発現を調査した結果,本菌を振とう培養あるいは静置培養して得られた菌体において本遺伝子の発現は認められなかったが,トマト葉またはタマネギリン片表皮に分生胞子懸濁液を接種後20時間以降に多く発現してくることが明らかになった.そこで,bcg3の発現が確認されたトマト接種葉から作製したcDNAライブラリーを酵母two-hybrid法に供試したところ,約150の陽性クローンが得られた.それらの塩基配列を調査したところ,Gβタンパク質であるBC1G_10054と相同な配列が確認され,これがBCG3と相互作用するGβタンパク質であると考えられた。 B. tulipaeは、同属のB. cinereaにおいて,Gαタンパク質の菌類サブグループIIIに属するbcg3がcAMPシグナル伝達経路の上流に位置しており,菌核形成を負に制御することが報告されている.当研究室ではこれまでにbcg3のホモログであるbtg3をB. tulipaeから単離しており,本菌においても同様の経路によって菌核形成が制御されている可能性が考えられた.そこで,本研究ではプロトプラスト-PEG法によってbtg3遺伝子の破壊株を作出し,その表現形質について調査した.PDA培地上での菌糸生育について野生型と比較したところ,コロニーの生育に遅延が見られた.また,チューリップ葉に対する接種試験を行ったところ,野性株に比べて病原性の著しい低下が見られた.しかしながら,遺伝子破壊による菌核形成への影響は見られなかった.
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Research Products
(7 results)