2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブロモウイルスーシロイヌナズナ間における多層的な非宿主低抗性の分子機構の解明
Project/Area Number |
17380029
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三瀬 和之 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90209776)
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Keywords | 植物ウイルス / シロイヌナズナ / ブロモウイルス / 突然変異体 / 宿主因子 / 複製 / 翻訳 / クローニング |
Research Abstract |
本研究では、Brome mosaic virus(BMrv)が非宿主シロイヌナズナのcpr5変異体に感染する現象に関与する宿主因子とウイルス因子の同定、およびSpring beauty latent virus(SBLV)増殖の遅延する変異体シロイヌナズナの性状解析と原因遺伝子のクローニングを試みている。1)BMVのcpr5変異体感染に関与する宿主因子を同定する試みの一環として、cpr5変異体以外にBMV感染を許容する変異体をスクリーニングしたところ、既存の変異体からssi1を同定した。また、アグロインフィルトレーション法によってCPR5遺伝子のウイルス感染に及ぼす影響を調べた結果、CPR5の過剰発現は、BMVのみならずSBLVの増殖も一細胞レベルで若干抑制することが分かった。このことから、これら2種のブロモウイルスのシロイヌナズナにおけるCPR5遺伝子の有無の影響の違いは、増殖抑制の解除の違いによるという可能性が新たに示唆された。2)BMVはCol-0細胞よりもcpr5細胞において、効率良く増殖する。複製酵素成分を発現するゲノムRNA1とRNA2にルシフェラーゼマーカー遺伝子を挿入あるいは置換したコンストラクトをBMVとSBLVにおいて構築し、翻訳活性を調べた結果、BMVRNA2の非翻訳領域をもったコンストラクト特異的にCol-0からcpr5での翻訳活性の上昇が認められた。3)CCMV-cpr5変異体の系において、ウイルス移行が促進される機構には、移行に関連したウイルスタンパク質すなわち3aタンパク質と外被タンパク質の発現量の違いが直接関与していないことが明らかとなった。
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