2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェロモン腺におけるガ類性フェロモン産生機構の包括的解析
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17380041
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 正吾 The Institute of Physical and Chemical Research, 松本分子昆虫学研究室, 主任研究員 (60134516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本 賢一 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 専任研究員 (90333335)
ジミー・ドュー ハル 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 協力研究員 (70415181)
大西 敦 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 協力研究員 (50342762)
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Keywords | 昆虫 / フェロモン / 生合性酵素遺伝子 / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究は、カイコガを用い、ガ類昆虫がフェロモン腺で種固有の性フェロモンブレンドを生み出すメカニズムを分子および細胞レベルから包括的に解析し、その産生メカニズムの全体像を明らかにしようとするものである。本年度は、カイコガに加えてアワヨトウも用い、フェロモン生合成を促す神経ホルモンPBANの細胞内シグナル伝達機構解明およびフェロモン生合成酵素の基質特異性に起因するブレンドの厳密な成分割合決定機構の解明に向けた解析を進めた。まず、アワヨトウの性フェロモン生合成関連遺伝子の単離を試み、degenerate RT-PCRによりカイコガDesatlと73.9%の相同性を有する566bpの部分配列を得た。またRT-PCRによる時期特異的発現解析結果から、フェロモン腺におけるこの遺伝子の転写レベルが羽化2日目から急激に上昇し、フェロモン産生が開始される羽化3日目で最も高いことを明らかにした。一方、RT-PCRによる単離が困難なアシル基還元酵素(pgFAR)と脂肪族アルコールアセチル基転移酵素(FAAT)遺伝子を得るため、羽化3日目のフェロモン腺平均化cDNAライブラリーを作製し、このライブラリー用いた網羅的EST解析を開始した。一方、カイコガにおいてPBAN刺激に伴ってリン酸化されるタンパク質を抗-リン酸化アミノ酸抗体を用いたImmunoblot解析で検索したところ、リン酸化を受ける5種類のバンドが検出され、そのうちの1つが、脂肪滴表面に会合して脂質分解を制御するLipid storage droplet protein 1(Lsdp1)であることがRNAiにより示唆された。
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Research Products
(4 results)