2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
信濃 卓郎 北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (20235542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 圭毅 農業生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (40414750)
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Keywords | メタボローム / GC-MS / UPLC-MS |
Research Abstract |
GC-MSを用いた網羅的解析手法(メタボローム)の確立を進めた。特にデータの再現性を高めるために各試料の前処理段階での条件検討を進めた。その結果、前処理前の試料の乾燥状態がその後のTMS化、メトキシ化の効率に極めて大きな影響を与えていることを見いだし、全行程における乾燥状態の維持が重要であることを明らかにした。この手法を用いて、イネ、ダイズの他にもホウレンソウ、ダイコン、根分泌物に対しても応用可能であるかを検討したところ、これまでに得られている情報を十分にカバーするのみならず、新たな代謝経路を推定することにも成功した。体内の画分別の代謝成分解析に関してはGC-MSのみならずUPLC-MS(Ultra Performance LC-MS)を導入することにより、従来のGC-MSを用いた場合より高分子側にシフトした化合物の解析を視野に入れた研究に着手した。前処理は基本的に不要であることからGC-MSに比較してより短時間かつ、ロスが少なく解析に供することが可能な点も利点である。条件検討を進めた結果、約15分ほどの解析によって約400ほどのピークの検出が可能となった。処理間、器官間の差は明確に示されており、分子量情報と分子組成情報をベースにした同定作業にも着手した。GC-MSとUPLC-MSを同時に用いることにより、より広範囲の化合物を対象とした解析が可能となった。GC-MSの結果からは解析可能な化合物としては糖類、アミノ酸類、有機酸類といった植物の一次代謝の骨格を構成している化合物が主体であり、これらの量的情報を用いた代謝マップの作成に成功した。
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