2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
信濃 卓郎 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (20235542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 圭毅 農業生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター, 研究員 (40414750)
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Keywords | メタボローム / GC-MS / LC-MS / MS / 一次代謝産物 / フラボノイド |
Research Abstract |
高等植物の体内の主要な化合物(約130種類)を対象として、定量的+定性的な分析を行うために、自動前処理装置を接続したGC-MSを用いた網羅的解析手法(メタボロームあるいはメタボノーム)を昨年までに確立した。この手法を利用してホウレンソウの窒素栄養応答機構を解析した結果、従来考えられていた代謝経路以外に窒素処理によって有意に高まる経路が存在することを見出した。また、UPLC-MS/MS(Ultra Performance LC-MS/MS)を導入し、植物体中のフラボノイド(6種類)の定性・定量同時分析手法を確立し、植物の栄養応答の一つとしてフラボノイド化合物が重要な変動をすることを明らかにした。このような物質レベルの変動を植物の生理的な応答機構と対応させるために、モデル植物であるイネ、シロイヌナズナ、ミヤコグサ(マメ科のモデル植物)を供試してマイクロアレイ解析を用いてmRNAの発現と代謝産物の変動パターンを対応させる試験を進めた。その結果、イネとミヤコグサにおいてはmRNAの発現パターンから類推される代謝経路の変動と実際の代謝産物の挙動が必ずしも同調していないことが示された。このことは、現在シロイヌナズナで進められている網羅的な代謝経路の解析がそのままの形では他の植物種に応用できない事もあることを示しており、今後より詳細な解析を行うためにはそれぞれの植物種においてその代謝経路を詳細に解明していく必要があることが明らかになった。
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