2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南澤 究 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (70167667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 啓史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40206652)
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Keywords | 脱窒 / 亜酸化窒素 / 根圏 / nosZ / napA / ダイズ根粒菌 / 硝酸 / 安定同位体 |
Research Abstract |
亜酸化窒素(N_2O)は強力な温室効果ガスあり、オゾン層の破壊効果もある。地球全体のN_2O発生の約40%は農耕地から発生しており、従来は窒素肥料が主な原因だとされてきた。しかし、根粒着生系統ダイズ畑圃場からのN_2O発生が非着生系統圃場3-4倍のfluxに達するなど、マメ科作物の根粒に起因するN_2O発生の寄与が大きいという意外な事実がある。本年度は登熟期のダイズ根系から発生するN_2Oの原因をさぐるために、圃場およびモデル実験系を用いて以下のような成果が得られた。 圃場ダイズにおいて、老化根粒から明らかにN_2Oが発生していた。そこで、レオナルトジャーを用いてダイズエンレイにnos遺伝子を欠損しているダイズ根粒菌Bradyrhizobium japonicum T9株を無菌条件で接種し、栽培後30日目に根粒老化を促進する地上部切断処理および土壌接種処理を行い、根粒根圏から発生するN_2Oを測定した。その結果、地上部切断処理および土壌接種の同時処理の場合のみN_2Oの有意な発生が認められ、根粒老化時には土壌生物がN_2O発生に関与していることが分かった。前年度のRISA解析でN_2O発生への関与が考えられる細菌、カビ、線虫などの分離を行った。 本年度は、「N_2O発生に関与する土壌生物の特定」の実験系およびN_2O発生関与生物の収集ができ、来年度以降の研究の基盤を作った。
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