2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (80242163)
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Keywords | モリブデン / 輸送体 / 代謝産物解析 |
Research Abstract |
本研究は、申請者が世界で初めて植物から初めて同定したシロイヌナズナのモリブデントランスポーターを鍵分子として、その機能と制御や相同遺伝子に関する研究を行うことによって、窒素代謝や酸化還元反応などの重要な反応に関与するモリブデンの輸送や蓄積機構を明らかにすることを目的としている。 本年度は昨年度までの研究を引き続き発展させ、モリブデン輸送体遺伝子を酵母で発現させた場合のモリブデン輸送の特性解析を行ったところ、これまでに知られている植物の無機元素輸送体に比べて、モリブデンに対する親和性が1桁から2桁高いことを明らかにした。モリブデンが微量要素の中でも特に要求量が少なく、環境に存在するモリブデン濃度が低いことに対応していると考えられる。また、原因遺伝子のGFPとの融合タンパク質を過剰発現する植物を作出したところ、輸送体は主に細胞膜に局在していることを示唆する結果を得た。モリブデン輸送体の相同遺伝子について、破壊株の生育や輸送活性を検討した。さらに、モリブデン輸送体の変異株における代謝異常を明らかにする目的で、アミノ酸をはじめとする代謝産物の蓄積量を測定したところ、変異株をモリブデン欠乏にさらすと多くのアミノ酸の蓄積が上昇していた。また、転写産物の網羅的解析も行ったところ、アミノ酸代謝に関する遺伝子の発現が影響を受けていることが明らかになった。
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