2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 准教授 (80242163)
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Keywords | モリブデン / 輸送体 / 代謝産物解析 |
Research Abstract |
モリブデンは植物の必須元素であり,農業上極めて重要な元素で,植物の酸化還元反応や窒素代謝において重要な役割を担っている。本研究は,申請者が世界で初めて植物から初めて同定したシロイヌナズナのモリブデントランスポーターを鍵分子として,その機能と制御や相同遺伝子に関する研究を行うことによって,窒素代謝や酸化還元反応などの重要な反応に関与するモリブデンの輸送や蓄積機構を明らかにすることを目的としている。 平成19年度においては,最初のモリブデン輸送体の遺伝子について,遺伝子破壊株の性質の一端を明らかにした。また,発現時期や発現場所を解析するために,プロモーター領域を緑色蛍光タンパク質(GFP)やβグルクロニダーゼ(GUS)に連結した融合遺伝子を発現する形質転換植物でGFPやGUSの発現時期や発現場所を詳細に検討した。これらの結果,モリブデン輸送体の遺伝子は根でも葉でも発現し,遺伝子欠損がモリブデン欠乏感受性を高めることを明らかにした。また,相同遺伝子の機能についてさらに検討を進めた。具体的には遺伝子破壊株の特性を詳細に検討したところ植物体内でのモリブデン輸送に関与することを示唆する結果を得た。発現場所や細胞内局在についての検討を行った。 これらと並行して,モリブデン輸送体の遺伝子破壊株の窒素栄養応答について検討を加えた。具体的にはモリブデン輸送体遺伝子破壊株のアミノ酸の蓄積量を各種条件下で検討した。
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