2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17380048
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
豊田 剛己 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (30262893)
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Keywords | キタネグサレセンチュウ / 自活性線虫 / PCR-DGGE / リアルタイムPCR / 定量PCR / 群集構造 / 微生物 / ダイコン |
Research Abstract |
本研究では、土壌病害の主要な病原体である植物寄生性線虫に注目し、ゲノム情報に基づき土壌中に存在する植物寄生性線虫(病害を引き起こす直接因子)の種類と量を迅速に精度良く評価することで、線虫病害を診断する技術を開発することを目的とする。今年度は、(1)土壌からの線虫分離法の確立を目指し、線虫抽出法としてベルマン法と二層遠心法の組合せによる土壌からの線虫分離法の最適化、および、線虫からのDNA抽出方法の確立を行った。その結果、ベルマン法で線虫を抽出した後の土壌から二層遠心法でさらに線虫を抽出することで、土壌中に存在する線虫をより網羅的に分離できることがわかった。また、捕集した線虫のDNA抽出法として、スキムミルクを添加したビードビータ法が有効であることがわかった。(2)我が国において重要な植物寄生性線虫であるキタネグサレセンチュウ、ジャガイモシストセンチュウを特異的に検出するプライマーの設計に成功した。このプライマーを用いてリアルタイムPCRを行うことで、両病害線虫数を迅速、正確に定量することが可能となった。(3)神奈川県三浦市および平塚市のキタネグサレセンチュウ被害度が異なる様々な圃場から土壌を採取し、線虫を分離後、総線虫数およびキタネグサレセンチュウ密度の推定を行うとともに、一部の試料については、PCR-DGGE法により線虫群集構造の評価を行った。その結果、キタネグサレセンチュウ密度の高い圃場では被害度が大きいこと、キタネグサレセンチュウ密度が低い土壌では、被害度が小さな圃場と大きな圃場の二つのタイプがあることがあきらかとなった。病原線虫が存在していても被害度が極めて少ない発病抑止土壌の存在が示唆されたことから、その土壌の特徴について現在調査中である。
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Research Products
(3 results)