2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規な有用脂肪酸エステルライブラリーの作製とその利用
Project/Area Number |
17380051
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 貴行 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80219170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 直樹 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50282322)
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Keywords | シトクロムP450 / カロテノイド / コレステロール / 脂肪酸 / Thermus thermophilus |
Research Abstract |
水酸化脂肪酸は、生分解性ポリマー、香料、医薬品などの工業原料として利用価値の高い化合物である。一方、カビFusarium oxysporumのチトクロムP450foxy(P450foxy)は、脂肪酸の亜末端(ω-1〜ω-3位)の水酸化酵素であり、P450還元酵素との融合酵素であることから反応が迅速だという特徴をもつ。本研究では、P450foxyを利用した各種脂肪酸誘導体の発酵生産を試みた。P450foxyを発現させた組み換え大腸菌を、ラウリン酸(LA)を添加した培地で培養したところ、培地中に11-hydroxy LA、10-hydroxy LA、9-hydroxy LAや、これらのα-ケトール誘導体が生成した。生産量の最も多かった11-hydroxy LAでは、150mg/1(収量25%)の効率で生産できた。炭素数10〜16の脂肪酸についてもそれぞれの(ω-1〜ω-3)monohydroxy脂肪酸に変換できた。また、同菌は、廃油中の脂肪酸を14-hydroxyおよび13-hydroxyパルミチン酸に変換できた。本生産系は脂肪酸誘導体の生産系として有用であると考えられる。一方、コレステロールエステラーゼ(CHE)はコレステロールエステルの3位のエステル結合を加水分解する酵素である。本研究では、放線菌Streptomyces sp.X9株(X9株)を分離し、本菌から放線菌以外のCHEとは一次構造上の相同性を示さない極めてユニークなCHEを見出した。また、X9株のCHEの粗精製画分を用いて、cholesteryl linoleateの酵素合成を試みた。反応液中に含まれるアルコールの濃度と種類を検討し、反応条件を最適化し、本反応系を利用して、他の脂肪酸やステロールから様々なステロールエステルが合成できた。
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Research Products
(2 results)