2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外栄養貯蔵物質の合成と分解の制御機構に関する研究
Project/Area Number |
17380057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 義文 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (70135127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 直樹 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (90202671)
小笠原 博信 秋田県農林水産技術センター, 総合食品研究所・酵素・微生物班, 主任研究官 (50390901)
木村 啓太郎 農業, 食品産業技術総合研究機構・食品総合研究所・微生物利用研究領域, 主任研究官 (20353980)
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Keywords | 微生物 / 枯草菌 / 環境適応 / 遺伝子発現制御 / プロテインカイネーズ / 転写制御因子 / ポリペプチド |
Research Abstract |
ポリグルタミン酸(PGA)は、定常期の栄養欠乏に備えた納豆菌の貯蔵栄養であり、その合成と分解は環境の栄養源に左右される。本研究は、栄養源と細胞密度シグナル伝達系によるPGAの合成と分解に関る遺伝子の発現制御機構の解明を目的とした。以下に研究計画に沿って研究実績を報告する。 1.栄養源によるPGA合成遺伝子の発現制御 PGA合成遺伝子のプロモーターにlacZを連結したPcapB-lacZを作成し、栄養源めPGA合成とPcapB-lacZの発現に及ぼす影響を調べた。グルコースやグルタミン酸はPGA合成を2.5〜3倍促進させ、PcapB-lacZの発現を1/6〜1/2に低下させた。合成原料が不十分なときにPAGの合成が確保するために発現が増強されると解釈される。 2,コーラムセンシシグによるPGA合成遺伝子の発現制御 degQ遺伝子及びdegS-degU二成分制御遺伝子がPGAの合成を制御していることを明らかした。合成遺伝子のプロモーターの-720と-660に制御部位があり、そこにDegU蛋白質が結合することをゲルシフト法で実証した。さらに、大腸菌で発現・精製したDegQ、DegS及びDegUを用いて、DegQがDegSの自己リン酸化を促進することを発見した。 3.ywrDとggtの発現制御機構 ywrDとggtはそれぞれエンド型とエキソ型の分解酵素をコードする。前者はグルコースで、後者はグルタミン酸で抑制されることを明らかにした。ggtが合成遺伝子と同様にComQXPA-DegQ-DegS-DegUのシグナル伝達系で制御されることも明らかにした。 4.yvzDの機能解析 yvzDを破壊してもPGAの合成量には変化がなかったが、細胞に結合したPGAの量は顕著に増加していた。この結果から、PGAは一端細胞表層に結合することが明らかとなった。本遺伝子の発現は栄養源の影響を受けなかった。
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