2006 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧適応に必須な植物と微生物のイオン輪送系の解析
Project/Area Number |
17380064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
魚住 信之 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (40223515)
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Keywords | KCO系 / 浸透圧 / 液泡膜 / HKT系 / 正電荷アミノ酸 / Na / Hアンチポーター / ラン藻 / pHセンサー |
Research Abstract |
KCO系Kチャネルの浸透圧適応機構:たばこからKCO系チャネルの役割を探るために、細胞内局在性を抗体を用いて調べる。すでに調製した抗体の特異性を大腸菌に発現させた抗原-GST融合蛋白質を用いてウエスタンブロティング法により検証したところ、液胞膜に発現していること分かった。 浸透圧適応に関与するKtrの構造と機能:pHセンサーと考えられているHisがKtr系に存在する。このHisは他の残基への置換で活性が低くなったことから、正規の構造維持に必須のアミノ酸であることが明らかとなった。 HKTの構造と機能:植物HKT系トランスポーターの膜貫通領域に保存されている正電荷アミノ酸の役割について検討した。この正電荷アミノ酸は、正電荷アミノ酸以外への置換によりKおよびNa輸送活性は小さくなる。チャネルとトランスポーターの機能の違いがこの正電荷アミノ酸に起因することが予測されたが、中性アミノ酸への置換が不可能であったことから、この正電荷アミノ酸は近郊に配置されている負電荷アミノ酸と静電気的相互作用を形成していることが予想された。 Na/Hアンチポーターの機能と役割:ラン藻のNa/Hアンチポーターの1つのpH依存性を大腸菌の反転膜小胞を調製して蛍光物質の消光実験により調べたところ、Na/Hアンチポート活性を検出した。さらに、正電荷アミノ酸および負電荷アミノ酸を中性アミノ酸に置換して、輸送活性に関与するアミノ酸を検索し、輸送活性に関与するアミノ酸を同定した。
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