2005 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞を標的とする骨吸収抑制化物合の作用機構及び動物における薬効解析
Project/Area Number |
17380069
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (00312653)
南 基泰 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (90340207)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収抑制剤 / 骨粗鬆症 / 代謝産物 / デストラクシン / リベロマイシン / ケルセチン / ルテオリン |
Research Abstract |
申請者らは、臨床応用が可能な骨吸収抑制剤を得る目的で、破骨細胞の分化及び成熟破骨細胞の機能発現過程に作用する活性物質を微生物や植物代謝産物中から探索し、微生物代謝産物からデストラクシンとリベロマイシンを、植物代謝産物からケルセチン、ルテオリンを見出した。 本年度は、4つの化合物の分子及び細胞レベルでの作用機構の解析を解析し、下記の結果を得た。 1)デストラクシンは、破骨細胞の骨格維持を阻害するが、その骨格維持に係るβ3インテグリン、c-srcキナーゼ,PI-3キナーゼ等のシグナル伝達分子活性化には影響を与えなかった。 2)破骨細胞への分化能をもつ前駆細胞や成熟破骨細胞の培養条件を酸性にするとリベロマイシンの蛋白質合成阻害効果が増大した。また、共同研究者である理化学研究所長田らは破骨細胞においてもisolysyl t-RNA syntheaseを選択的に阻害することを確認した。リベロマイシン破骨細胞に対する高い選択性は、活性化破骨細胞のつくる酸性環境に起因することとその標的分子はisolysyl t-RNA syntheaseであることを明らかにした。 3)ケルセチンは、破骨細胞の初期分化と活性化破骨細胞の骨格維持を阻害するが、ケルセチンによる破骨細胞の初期分化阻害は転写因子であるNFATの発現抑制を介して、またケルセチンによる破骨細胞の骨格維持阻害はaktのリン酸化阻害を介していることを明らかにした。 4)ルテオリンは、破骨細胞の初期分化の破骨細胞分化誘導因子によるシグナル分子であるp38やJNK、Iκ-Bのリン酸化には影響を与えないが、破骨細胞分化の後期に発現する転写因子であるNFATの発現を抑制することを明らかにした。
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