2006 Fiscal Year Annual Research Report
穀類種子におけるジベレリン情報伝達に関与する糖タンパク質の生理学的解析
Project/Area Number |
17380071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 義人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (90222067)
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Keywords | アラビノガラクタン蛋白質 / オオムギ / イネ / 糊粉層 / ジベレリン / アミラーゼ |
Research Abstract |
1.昨年度,AGPの特異的阻害剤であるb-GlcY試薬を用いて,AGPがa-アミラーゼの誘導やプログラム細胞死など,ジベレリン作用へ広く関与していることを確認した。さらに大麦のマイクロアレイ解析を行った結果,ジベレリンで誘導されることが知られている加水分解酵素群を含め,多くのジベレリン誘導性遺伝子の発現誘導がb-GlcY処理により抑制され、またジベレリンによって発現が減少する遺伝子にも同様の傾向が見られた。今年度はアレイ実験で得られた情報を詳細に解析し,AGPがどのような情報伝達経路を介して,ジベレリンの作用に関与しているのかを調査した。その結果,b-GlcY試薬は植物における防御応答シグナルを活性化している可能性が考えられた。 2.1の結果に基づき、防御応答シグナルが糊粉層におけるGAシグナルに与える影響を検討し、エリシター,SA等の防御応答シグナルがGAシグナルを負に制御することを,加水分解酵素の活性、遺伝子の発現の両方で証明した。さらにb-GlcY試薬が防御応答シグナルに関連する遺伝子の発現を上昇させることも明らかにした。 3.OsENODL1を中心としたAGPのRNAiや過剰発現コンストラクト、GFP融合遺伝子、プロモーターGUS、GFP融合遺伝子を発現するイネを作製を完了した。 4.植物における新規AGP,OsENODL1の機能について注目していることから、シロイヌナズナにおいてENODLファミリーを明らかにし、それぞれのT-DNA挿入変異株を取得し,ホモの系統を確立した。これらの形質の解析始めるとともに、相同性の高い遺伝子被破壊株同士の多重変異体を作成に着手した。
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