2006 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫制御細胞の機能発現機構の解明とこれを標的とした食品による免疫機能修復
Project/Area Number |
17380076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八村 敏志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
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Keywords | IgA抗体 / 経口免疫寛容 / 樹状細胞 / 制御性T細胞 / 腸管免疫 / パイエル板 |
Research Abstract |
1.IgA産生増強細胞の機能発現機構 パイエル板CD3^-IL-2R^+細胞をpolyI:C dsRNA刺激した場合に、粘膜固有層への移動に重要なCCR9の発現が上昇した。また一方で、粘膜固有層にもIL-5を産生するCD3-IL-2R^+細胞が存在した。この結果、CD3^-IL-2R^+細胞がパイエル板において微生物刺激を受け、粘膜固有層へ移動する可能性が示された。 一方で、パイエル板樹状細胞(DC)は、LPS,CpG ODN刺激により、T細胞非存在下でB細胞のIgA産生を誘導した。さらにCpG刺激したDCではIL-6の中和によりIgA産生誘導が阻害され、クラススイッチを誘導するBAFFのmRNA量が増加した。これらより、微生物刺激を受けたパイエル板DCがIL-6やBAFFを介してT細胞非依存的にIgA産生を促進する可能性が示された。 2.経口免疫寛容における制御性低応答化T細胞の機能発現機構 OVA特異的TCRトランスジェニックマウス(TCR-Tg)を用いて経口免疫寛容において誘導される2種の制御性低応答化T細胞:CD62L^<high/int>CD44^<int>T細胞およびCD62L^<low>CD44^<high>T細胞の解析を進めた。これらの細胞は、CD25+細胞を除去した場合でも、抑制活性を保持していた。またTCR-Tg由来CD62L^<high>T細胞をBALB/cマウスに移入し、抗原を経口投与したところ、CD62L^<high/int>CD44^<int>T細胞およびCD62L^<low>CD44^<high>T細胞の誘導が確認された。これらの結果から、抗原特異的T細胞が過剰でない生理的条件においても、経口抗原で未感作T細胞よりこれらの細胞群が誘導されることが示唆された。 一方で、経口免疫寛容T細胞において発現が高いZfhx1b遺伝子をT細胞ハイブリドーマに過剰発現させたところ、IL-2産生能が低下し、T細胞応答抑制機能が示唆された。
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Research Products
(5 results)