2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫制御細胞の機能発現機構の解明とこれを標的とした食品による免疫機能修復
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17380076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八村 敏志 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40238019)
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Keywords | IgA抗体 / 経口免疫寛容 / 樹状細胞 / 制御性T細胞 / 腸管免疫 / パイエル板 |
Research Abstract |
1.IgA産生増強細胞の解析 これまでの結果からパイエル板(PP)CD3-IL-2R+細胞がウイルス成分(polyl:C)刺激を受け,CCR9を発現することが明らかになり,粘膜固有層へ移動する可能性が示されていた。そこで,CD45.2発現マウスのPPCD3-IL-2R+細胞を,CD45.1発現マウスに移入し,移入細胞の移動先を解析した。その結果,polyI:C刺激したPPCD3-IL-2R+細胞はLPで,無刺激の細胞はPPで多く検出された。以上の結果からPPCD3-IL-2R+細胞はウイルス成分を認識してCCR9を発現し,粘膜固有層へと移動することが強く示唆された。 一方で,CD3-IL-2R+細胞が腸内共生細菌の刺激を受け,IgA産生を促進する可能性を検討した。無菌マウス(GFマウス)を解析したところ,腸管lgA量が低下しており,さらにPPCD3-IL-2R+細胞はIL-5mRNA発現が低く,B細胞と共培養した結果,IgA産生促進効果がSPFマウスに比べて低下していた。以上の結果から,PPCD3-IL-2R+細胞は腸内細菌刺激にも応じてB細胞のlgA産生を促進することが示唆された。 2.経口免疫寛容における制御性低応答化T細胞の解析 導入TCRのみを発現するRag2-/-DO11.10TCR-Tgマウス,もしくは同マウス由来の未感作T細胞を綱胞移入したBALB/cマウスに抗原を経口投与したところ,CD62Lhigh/intCD44intT細胞とCD62LlowCD44highT細胞群の誘導が確認された。両T細胞群は抗原に対して低応答化しており,CD62LlowCD44highT細胞群でFoxp3発現が高く,強い抑制活性が観察された。これまでの結果も合わせ,抗原の経口摂取によって抑制機能の異なる二つの低応答化制御性T細胞群が誘導されることが明確に示された。
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Research Products
(5 results)