2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母でのアミロイド型蛋白質の凝集形成機構の解明とその形成を抑止する食品成分の検索
Project/Area Number |
17380080
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
加藤 昭夫 山口大学, 農学部, 教授 (00035114)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿座上 弘行 山口大学, 農学部, 助手 (40263850)
|
Keywords | アミロイドシス / アミロイド型リゾチーム / アミロイド型シスタチン / カテキン / エピガロカテキン / ミリセチン |
Research Abstract |
(1)アミロイドモデル蛋白質の酵母での発現分泌 アミロイド型リゾチーム変異体(I56T, D67H),シスタチン変異体(I66Q)を酵母Pichia pastoris発現ベクターに導入し、形質転換した酵母を用いた発現分泌系で分泌し、モデルアミロイド型蛋白質として用いた。本研究者はすでに多量のアミロイド型リゾチーム・シスタチンを得る系を完成しており、これらのアミロイド型タンパク質を用いて、食品由来の有効成分の検索を行う。アミロイド型タンパク質は酵母培養液からそれぞれCMトヨパール、DEAEトヨパールなどで分取、精製した。培養液リットルあたり、アミロイド型シスタチンの場合は数10ミリグラムのアミロイド型変異体を精製できるため、アミロイド形成を抑制する効果のある成分を検索するモデル蛋白質として用いた。 酵母発現系でアミロイド型シスタチンの分泌を行う系での利点は分泌段階におけるアミロイド型タンパク質のモノマー、オリゴマー、凝集体の生成量を経時的に追跡できる点である。この系を用いて、食品成分由来のアミロイド形成に及ぼす影響を調べることが可能となった。 (2)アミロイドシス形成抑止成分の検索 これまでに明らかにされているアミロイドシス阻害化合物はコンゴーレッド、チオフラビンT,メラトニンなどであり、これらの化学物質の構造モチーフを有する食品成分を検索する。本研究室でこれまで検討している中で、大豆由来の低分子成分(イソフラボンなど)、茶カテキン、果物ミリセチン、植物樹脂分泌液ノルヂハイドログアイアレティクアシッドなどチオフラビンTと類似した化合物がアミロイドシス形成を阻害する可能性があり、これらの効果を検討したところ、カテキン、エピガロカテキンにアミロイドシス形成阻害作用があることが示された。
|
Research Products
(4 results)