2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病発症におけるリポタンパク受容体シグナル伝達系の役割に関する研究
Project/Area Number |
17380081
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤野 貴広 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助教授 (40292312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 晴造 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 講師 (50363263)
能勢 眞人 愛媛大学, 医学部, 教授 (70030913)
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Keywords | アポE / 糖鎖修飾 / シアル酸 / 脳神経系 |
Research Abstract |
アポリポタンパクE(アポE)は主に肝臓で合成される糖タンパク質で、体循環系ではVLDLやカイロミクロンレムナントの主要アポタンパクとしてリポタンパク代謝に重要な役割を担っている。一方、アポEはマクロファージや脳神経系でも合成されるが、これまでの報告では肝臓で合成されたアポEとは性質の異なることが示されている。特に、脳神経系で発現するアポEはシアル酸修飾を受け、ヘテロな分子種として脳髄液中に存在していることが明らかにされている。そこで我々はこのシアル酸修飾に注目し、この修飾の有無による生理的機能の違いを解析した。まず、in vitroにおいてシアル酸修飾アポEの大量発現系を確立し、これを精製した。得られたApoEは脳脊髄液中のものと同様にシアル酸による修飾を受けていた。また、興味深いことに、肝臓で合成されるApoEとは異なり複数の分子種として分泌されることが明らかとなった。複数の分子種として観察されるApoEがノイラミニダーゼ処理によって単一バンドとして観察されることから、シアル酸修飾の違いによって多様性が生み出されていることが示された。ApoEの様々な部位に対するモノクローナル抗体を用いたイムノブロティングでは、C末端付近にシアル酸が結合している可能性が強く示唆された。また、部位特異的なノイラミニダーゼを用いた糖鎖構造の解析から、ApoEに付加する糖鎖構造はNeuAc α2→3Galβ1→3((NeuAc α2→8)n NeuAc α2→6)GalNAc α1→Ser/Thrであることが推定された。 アルツハイマー病患者と健常者の脳脊髄液中におけるアポE糖鎖修飾について解析したが、両者に顕著な差は認められなかった。
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Research Products
(1 results)