2006 Fiscal Year Annual Research Report
土壌水分量を考慮した山地災害警戒避難基準雨量の研究
Project/Area Number |
17380097
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 哲也 九州大学, 大学院農学研究院, 助教授 (40243381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 恭一 九州大学, 大学院農学研究院, 教授 (80183763)
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Keywords | 警戒・避難 / 土壌水分 / 雨量 / メキシコ / インドネシア / 土砂災害 / 崩壊 / 森林斜面 |
Research Abstract |
本年度も九州大学附属演習林や豪雨被害のあるメキシコ東シエラマドレ山地の森林斜面において(地形、地質、森林被覆面積率、樹種、森林施業形態の異なる)斜面3箇所に雨量計および7箇所計14組の土壌水分計を設置し、降雨に伴う土壌水分変動のレスポンス及び降雨終了後の時間変化や半減期を観測した。同時に、数箇所の現地斜面の土層サンプルを採取し、土壌の成分分析と透水係数の計測なども行った。また、インドネシア・スラウェシ島での土石流発生地域における雨量データの分析も行った。 その結果、九州北部のみでなくメキシコのハリケーン災害被災地においても、(1)森林斜面崩壊が発生する降雨パターンの特徴が分かり、最大累積雨量を用いた警戒基準雨量の設定法が提示できた、(2)メキシコの試験地では福岡地域と比べて、透水係数が一桁小さく、土壌水分量の増加・減少速度、特に減少速度が遅く、斜面が不安定化する可能性のあることなどが判明した。また、(3)福岡など九州地区の森林斜面においては、表層土層が比較的薄いことも分かり、土壌水分の増加特性や降雨終了後の土壌水分減少傾向も判明した。(4)土砂流出に関しても、時間雨量と累加雨量を用いた警戒手法を提示できた上、この手法がインドネシア・スラウェシ島の試験地でも有効である可能性が確認できた。 このように、九州北部、メキシコ及びインドネシアの試験地において、土壌水分量を勘案した土砂災害警戒・避難基準設定技術などの開発に向けて有効な手法が提案できた。 来年度も同様の調査を九州、メキシコ、及びインドネシアで継続するとともに、他の試験地を含めた更なるデータの蓄積と解析に勤める。
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Research Products
(3 results)