2006 Fiscal Year Annual Research Report
木材の材料寿命-歴史的木造古健築および木彫文化財由来の試料を用いた検討-
Project/Area Number |
17380105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00135609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 隆夫 奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 客員教授 (70027168)
窪寺 茂 奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 室長 (00393372)
清水 重敦 奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 研究員 (40321624)
矢野 健一郎 東京芸術大学, 奈良古美術研究施設, 非常勤講師 (60401486)
栗本 康司 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助教授 (60279510)
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Keywords | 木材 / 古材 / 歴史的木造建築 / 木彫文化財 / 老化 / 材料寿命 / 耐久性 |
Research Abstract |
日本各地の国宝・重要文化財指定の歴史的建造物の解体修理工事現場より、飛鳥時代より現代に至るまで各歴史年代および使用部位の異なる古材試料を、文化庁と修理現場の技術者の協力を得て収集した。収集した古材に含まれるさまざまな情報、たとえば、出所、部材名、用途、樹種同定等を含め古材のデーターベースの構築を開始した。 昨年度より収集した小原二郎コレクション、歴史民族博物館ならびに本研究プロジェクトで収集した出自の明らかな古材(ヒノキ材)8点および現生材を試料に選び、樹種同定を行ったあと、年輪年代、C14年代による年代特定を行った。さらに、引き続き、密度、平均年輪幅、平衡含水率などの基礎物性のほか、主に繊維及び半径方向の曲げ試験をおこない、力学特性を調べ、老化による材質劣化の特徴を明らかにした。現在、引き続き化学分析やリグニン分析など、化学成分の変化を調べている。 これらの研究成果を公表するために、第61回生存圏シンポジウム「木の文化と科学VI-歴史的建造物の古材を観る-」を主催し、関連研究者と情報交換をおこなった。 さらに、日本木材学会、日本材料学会、ならびに日本文化財修理修復学会において、研究成果を発表し、「材料」に論文を公表した。
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