2007 Fiscal Year Annual Research Report
海藻のアレロケミカルによる植食動物幼生と付着珪藻の排除機構に関する研究
Project/Area Number |
17380111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 和也 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (40282082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70050680)
吾妻 行雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (50292256)
伊藤 絹子 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (90191931)
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Keywords | ジブロモフェノール / トリブロモフェノール / 付着珪藻 / 増殖阻害 / ヒバマタ目褐藻 |
Research Abstract |
褐藻アラメ、カジメが分泌する揮発物質ジフロモフェノール(DBF)とトリフロモフェノール(TBF)が付着珪藻の増殖を阻害するか否かを、褐藻ヒジキから単離したNavicula britannicaとCylindroteca closterium、紅藻スサビノリから単離したMelosira nummuloidesの3種を対象に10日間生物試験を行った。DBF 1ppm添加区の場合3種とも対照区と同様の増殖を示したが、5ppm添加区の場合有意に増殖速度が低下した。25ppmの場合、まったく増殖せず、大部分死亡した。TBFの場合も、3種ともDBFの各濃度区と反応はほとんど等しかった。ヒバマタ目褐藻がDBFおよびTBFを分泌するか否かを明らかにするため、ヒジキ、エゾノネジモク、ヤツマタモク、ノコギリモク、フシスジモク、マメタワラ、ヨレモク、ジョロモク、スギモクの9種を密閉容器中、水温15℃、光量子束密度180μmol/秒で24時間(明暗周期12:12)培養し、培養液をGC-MSで分析した。その結果、実験に用いた9種のヒバマタ目褐藻は共通してDBFを分泌することが明らかになった。TBFは検出されなかった。したがって、海中林を構成する褐藻は、共通してブロモフェノールを常時多量に分泌してウニ・アワビ幼生の発生を阻害するとともに、付着珪藻の着生をも阻害することが本研究によって始めて明らかになった。
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Research Products
(14 results)