2005 Fiscal Year Annual Research Report
ITSチップを用いた多種水産動物同時判別システムの開発
Project/Area Number |
17380126
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
張 成年 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・浅海生態系研究室, 研究室長 (70360766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹山 春子 東京農工大学, 生命機能科学部門, 教授 (60262234)
大原 一郎 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・遺伝子解析センター, 上席研究官 (40371843)
上野 康弘 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所・沿岸資源室, 研究室長 (50371810)
吉村 拓 独立行政法人水産総合研究センター, 西海区水産研究所・沿岸資源室, 研究室長 (90371997)
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Keywords | 多種同時判別 / 水産動物 / ITS領域 / DNAチップ |
Research Abstract |
無脊椎動物から脊椎動物まで約350種の標本を収集した。全て海産動物であり、全種についてITS1領域のPCR増幅を行い、ほとんどの種の相同領域が同一のプライマーセットで増幅されることを確認した。一部の種についてはrDNA ITS1領域の塩基配列を解析した。このうち完全長配列を得た種数は、硬骨魚類13種、甲殻類11種、原索動物1種、刺胞動物1種、軟体動物8種、棘皮動物3種である。部分配列については、硬骨魚類41種、甲殻類3種である。これらの配列のうち、本研究で得た完全長配列とデータベースからの情報を用いて高次分類群間から近縁分類群間での塩基配列を比較し、その差違の程度について検討した。その結果、ハイブリダイゼーションを基礎とする本手法では同じ科に属する属レベル間での区別は困難であることが予想された。一方、科間および目間以上の分類群レベルでの区別は可能であることが示唆された。試験的に50種類(軟骨魚類4種、硬骨魚類19種、甲殻類9種、原索動物1種、刺胞動物1種、軟体動物12種、棘皮動物4種)のITS1配列をチップ上に固定し、配列長の長い種と短い種をランダムに選んでハイブリダイゼーションを行った結果、チップを洗浄するSSC溶液のpHや配列長がハイブリダイゼーション効率に大きく影響することが示された。非特異的ハイブリダイゼーションをできるだけ低減するためには、配列長やGC含量によってチップを分けるといった工夫が必要であることが示唆された。福次的成果として、マグロ属近縁種間の系統類縁関係について検討を行い、近縁種間で種間交雑がありミトコンドリアDNAの種間移動があったことが示された。
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Research Products
(1 results)