2005 Fiscal Year Annual Research Report
電気インピーダンス・トモグラフィによる農産食品の異物検出法の開発
Project/Area Number |
17380156
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
豊田 浄彦 神戸大学, 農学部, 教授 (30144603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 高秀 神戸大学, 農学部, 教授 (30031230)
|
Keywords | インピーダンス / トモグラフィ / 異物検出 / 体積抵抗率 / ミンチ肉 / パン生地 / 接触抵抗 / 接触圧 |
Research Abstract |
電気インピーダンス・トモグラフィ(以下、EIT)による異物検出時の背景信号となる食品の電気インピーダンスおよび誘電率を調べた。測定には周波数特性分析器を用いたEIT測定システムを構築し供試した。ミンチ肉、パン生地および食肉について、対向電極を用い、測定周波数約40Hz〜2MHzの範囲で試料のインピーダンス特性を調べた。1kHz以下では電極分極による分散現象が見られ、1MHz以上では材料由来の分散が見られることから、EITによる異物検出には、1kHz〜1MHzの間での測定周波数が適するものと評価した。また、食肉では細胞構造に由来する分散が認められ、脂肪細胞の影響もあり、導電性、或いは体積抵抗率での評価は困難であった。 各試料の体積抵抗率は以下の通り。 牛ミンチ肉 ρ=183.1±9.4 Ω-cm f=8.08kHz、20℃ 合挽肉 ρ=157.1±14.4 Ω-cm f=8.08kHz、20℃ 発酵前パン生地 ρ=368±4.04 Ω-cm f=21kHz、25℃ 発酵後パン生地 ρ=626±75.3 Ω-cm f=21kHz、25℃ ステンレステープを電極面とした16点のEIT用電極プローブを製作した。同電極を用いたモデル食品(KCl溶液、寒天ゲル)での測定実験において、電極の幅、長さ、電極間隙を変化させた場合の取得データの特性について、考察し、それらのインピーダンス測定値の測定精度への影響を評価した。 また、レオメーターを用いて、電極面への接触圧を調節した状態でインピーダンス測定を行い、接触圧の接触抵抗への影響について調べ、安定した接触抵抗を得るに必要な接触圧を明らかにした。 更に高速測定のために、DSPとデータ入出力ボードによる測定システム構築の基礎的検討を行った。 上記の成果の一部を、農業環境工学関連7学会2006年合同大会(金沢、2005年9月12〜15日)にて報告した。
|