2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリの水分摂取・排泄の生理機構解明と家禽管理への展開
Project/Area Number |
17380160
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 昇 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (40211924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 清司 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (40065579)
塚田 光 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20343212)
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Keywords | ニワトリ / 浸透圧刺激 / 抗利尿ホルモン / アクアポリン / 転写調節因子 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
鳥類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)の遺伝子発現の機構を明らかにするために、急速な塩水投与を行い転写因子等の遺伝子発現等を解析した。 その結果、AVT mRNAレベルは塩水投与後3時間に有意な増加を示した。他に、fos mRNAレベルなども3時間後に増加した。それに対し、転写因子TonEBP mRNAレベルは、塩水投与後1時間に有意な増加を示した。また、nNOS mRNAレベルも塩水投与後1時間に有意な増加を示した。この結果から、TonEBPは従来主に腎臓において浸透圧刺激を関与する転写因子と考えられてきたが、脳においても重要な役割を担っている可能性が示唆された。また、nNOSの遺伝子発現が増加することから、一酸化窒素(NO)が浸透圧刺激の脳内情報伝達に重要であることが示唆された。今後され、AVT遺伝子発現に対するTonEBPとnNOSの関係を明らかにすることが浸透圧調節機構の解明に重要である。 腎臓での水の再吸収の機構を明らかにするために、腎臓において発現している水チャネルであるアクアポリンの遺伝子発現を調べた。腎臓におけるアクアポリンの発現を、AQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP7、AQP8、AQP9、AQP12の6つのタイプについて調べた結果、AQP1、AQP2、AQP3、AQP4、AQP7、AQP9の6つのタイプで腎臓における発現が観察された。さらに、塩水投与により血中浸透圧が上昇した時における遺伝子発現の変化を調べたところ、AQP1、AQP2、AQP3のタイプのみが上昇し、他のタイプは、変化が見られないか減少した。したがって、ニワトリの腎臓における水の再吸収には、AQP1、AQP2、AQP3が主に関与していることが明らかになった。
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