2005 Fiscal Year Annual Research Report
サブトラクション法による脂肪交雑遺伝子の単離と発現制御機構の解明
Project/Area Number |
17380165
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
麻生 久 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50241625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高弘 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
大和田 修一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00183244)
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80261494)
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Keywords | 牛筋肉内脂肪前駆細胞株 / BIP細胞 / 脂肪細胞分化 / サブトラクション / glutathione peroxidase (GOx-P) / α-2-マクログロブリン / stearoyl CoA desaturase / 血清アミロイドA蛋白3 |
Research Abstract |
脂肪分化時に発現する遺伝子620個をランダムに単離し、その遺伝子配列を決定した。その中で、血清型glutathione peroxidase (GPx-P)は116個単離され、もっとも発現量が多かった。続いて、フィブロネクチン(69個)、アディポフィリン(34個)と血清アミロイドA蛋白3(SAA3)(14個)の単離数の多いことが判明した。脂肪細胞分化誘導後のmRNA発現量を比較したところ、α-2-マクログロブリン、GPx-P、stearoyl CoA desaturase(SCD)、SAA3、FK506結合蛋白(FKBP)、フィブロネクチン、ADPHの発現量が著しく増加することが判明した。また、SAA3、フィブロネクチンおよびADPH遺伝子は、分化誘導前にも発現が認められた。脂肪細胞分化誘導前と脂肪細胞分化誘導後4日目のmRNA発現量の相対比をそれぞれのG3PDH発現量を元に比較すると、α-2-マクログロブリンは88.8倍、GPx-Pは67.2倍、SCDは20.9倍、SAA3は10.9倍、FKBPは10.5倍、フィブロネクチンは6.8倍、ADPは7.3倍の発現増加が確認された。 次に、それぞれの遺伝子について、脂肪細胞分化誘導後の発現時期をRT-PCRで解析した。GPx-P、SAA3、ADPHおよびFKBPは分化誘導2日目より発現増加が認められた。フィブロネクチンは分化誘導4日目に発現が増加し、8日目まで維持されていた。また、α-2-マクログロブリンは分化誘導4日目で新規に発現し、8日目まで徐々に増加した。SCDは細胞密度が飽和状態になった時点で新規に発現し、分化誘導後は徐々に低下した。よって、単離した遺伝子は、脂肪細胞分化過程で独自の発現様式を有することが判明した。
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Research Products
(6 results)