2005 Fiscal Year Annual Research Report
家畜卵巣内卵母細胞の発育開始制御と体外発育法の開発
Project/Area Number |
17380169
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮野 隆 神戸大学, 農学部, 教授 (80200195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 智博 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (50372660)
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Keywords | 卵母細胞 / 卵胞 / 体外発育 / 異種移植 |
Research Abstract |
研究材料として,と畜場で採取したブタおよびウシの卵巣,10日齢の仔ブタの卵巣を使用し,以下の3課題を中心に研究を実施した。 1)ウシ二次卵胞の長期培養法の開発:卵巣の表層から切り出したウシ二次卵胞をコラーゲンゲルに包埋し,ウシ血清,血漿,血清アルブミンのいずれかとFSHを含む培養液中で4週間に渡って培養した。その結果,卵胞および卵母細胞の生存性は血漿を含む培養液で最も高く,卵母細胞の一部は直径約50μmから90μmへと発育した。 2)成体卵巣由来原始卵胞の異種移植試験:と畜場で採取した成体のウシおよびブタの卵巣の表層から原始卵胞を多数含む組織片を切り出し,雄,雌,卵巣摘出雌の3種類のSCID(重症複合免疫不全症)マウスに6ヶ月間に渡って異種移植した。移植2ヶ月後には原始卵胞の発達は認められなかったが,移植6ヶ月後に原始卵胞の一部は胞状卵胞へと発達し,内部の卵母細胞もほぼ発育完了の直径へと発育した。対照として用いた新生仔の卵巣から採取したブタ原始卵胞は移植2ヶ月後には胞状卵胞へと発達しており,新生仔と成体の原始卵胞における発育開始の機構が異なることが示唆された。 3)成体および新生児卵巣内の原始卵胞におけるFOXO3aの発現解析:ブタFOXO3aの卵母細胞における発現を明らかにした後,成体および新生仔原始卵胞における発現を免疫蛍光抗体法によって比較した。成体の原始卵胞内の卵母細胞の核にはいずれもFOXO3aの強いシグナルが観察されたが,新生仔卵巣内の原始卵胞では,卵母細胞の核で発現の見られるものと見られないものが混在していた。
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