2006 Fiscal Year Annual Research Report
家畜卵巣内卵母細胞の発育開始制御と体外発育法の開発
Project/Area Number |
17380169
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮野 隆 神戸大学, 農学部, 教授 (80200195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 智博 神戸大学, 自然科学研究科, COE研究員 (50372660)
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Keywords | 卵母細胞 / 卵胞 / 体外培養 / 異種移植 / KIT / FOXO3A |
Research Abstract |
研究材料として,と畜揚で採取したブタおよびウシの卵巣,10〜20日齢の仔ブタの卵巣を使用し,以下の3課題について研究した。 1)ウシ二次卵胞の長期培養法の開発: 卵巣の表層から切り出したウシ二次卵胞をコラーゲンゲルに包埋し,ウシ血清,ウシ血漿,ウシ卵胞液,ウシ血清アルブミン(BSA)のいずれかとFSH(0,25,50ng/ml)を含む培養液中で6週間に渡って培養した。その結果,卵胞および卵母細胞の生存性は血漿あるいはBSAを含む培養液で高く,卵母細胞の一部は直径約50μmから約100μmへと発育した。 2)ブタ原始卵胞におけるKITの発現解析と異種移植: 成体のブタ卵巣の表層から原始卵胞を多数含む組織片を切り出し,SCID(重症複合免疫不全症)マウスに2ヶ月間移植しても原始卵胞の発達は認められないが,10〜20日齢の仔ブタの卵巣から採取した原始卵胞の一部は異種移植後,胞状卵胞へと発達し,内部の卵母細胞もほぼ発育完了の直径へと発育した。両原始卵胞では,卵母細胞の発育開始に関わると考えられているKITは同様に発現していた。成体の卵巣から採取した原始卵胞を種々の条件でKITリガンド(stem cell factor)で処理後にSCIDマウスに移植したが,2ヶ月後,原始卵胞の発達は全く認められなかった。 3)ブタ原始卵胞のFOXO3Aのノックダウン: ブタFOXO3A mRNAの部分配列を決定し,siRNAを作成した。ブタLLC-PK1細胞を用いてsiRNAによるFOXO3Aの発現を低下させる条件を検討した後,成体卵巣より採取した原始卵胞を含む組織を用いてsiRNAiによる原始卵胞内の卵母細胞のFOXO3Aノックダウンを試みたところ,卵母細胞のFOXO3Aの発現が低下することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)