2007 Fiscal Year Annual Research Report
家畜卵巣内卵母細胞の発育開始制御と体外発育法の開発
Project/Area Number |
17380169
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮野 隆 Kobe University, 農学研究科, 教授 (80200195)
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Keywords | 卵母細胞 / 卵胞 / 体外培養 / 異種移植 / KIT / FOX03A |
Research Abstract |
家畜卵巣内の発育開始前あるいは発育途上の卵母細胞から成熟卵を生産する技術を作出するとともに,原始卵胞の発育開始機構を明らかにすることを目的として,本年度は以下の3課題について研究を進めた。研究材料としては,と畜場で採取したブタおよびウシの卵巣,10〜20日齢の仔ブタの卵巣を使用した。 1.ブタ原始卵胞の発達開始におけるKITの役割 成体のブタ卵巣の表層から原始卵胞を多数含む組織片を切り出し,KITリガンド(KL: stem cell factor)で処理後にSCID(重症複合免疫不全症)マウスに2ケ月間異種移植した。対照として移植した仔ブタの卵巣から採取した原始卵胞の一部は移植後,胞状卵胞へと発達し,内部の卵母細胞は発育完了の直径へと発育した。一方,成体の卵巣から採取した原始卵胞の発達は全く認められなかったが,KL処理によって卵母細胞の生存性は維持された。 2.原始卵胞のFOXO3AのsiRNAによるノックダウンによる発育開始制御 ブタFOXO3Aに対するsiRNAを作成し,成体卵巣より採取した原始卵胞を含む組織を用いてsiRNAiによる原始卵胞内の卵母細胞のFOXO3Aノックダウンを試みたところ,卵母細胞のFOXO3Aの発現は低下した。siRNA処理後の原始卵胞を含む卵巣組織片をSCIDマウスに2ケ月間移植したところ,対照siRNAで処理した原始卵胞は発達しなかったが,FOXO3Aをノックダウンした原始卵胞の一部は二次卵胞へと発達し,FOXO3Aが原始卵胞の発達開始を抑制的に制御していることが示唆された。FOXO3Aノックダウン法の基礎的条件検討はマウスを用いて行った。また,ウシのFOXO3A mRNAの部分配列を決定し,同様な実験を開始した。 3.ブタ原始卵胞の体外培養法の開発 ブタ卵巣の原始卵胞を多数含む組織片を器官培養用ディッシュを用いて1週間培養し,培養液中に各種ステロイドホルモンを添加し,その作用を検討した。培養後,半数以上の原始卵胞は退行したが,エストロジェンおよびテストステロン添加により退行は抑制された。
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Research Products
(3 results)