2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ子宮・胎盤細胞外マトリックスを用いた子宮内膜様構造体の再構築と機能解析
Project/Area Number |
17380172
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋爪 一善 Iwate University, 農学部, 教授 (10355737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 准教授 (40337994)
伊東 晃 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70096684)
高橋 透 農業生物資源研究所, 動物科学研究領域, 主任研究員 (20355738)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 細胞構築体 / 栄養膜細胞 / 共培養 / EMMPRIN / MMP14 |
Research Abstract |
本研究課題では、ウシの子宮および胎盤から細胞外マトリックス(ECM)成分をできるだけ化学的な変化を加えることなく抽出し、生体外で培養担体を再構築して、その担体に子宮内膜細胞や栄養膜細胞を添加、共培養することから生体外での着床機構解析モデル作製の基盤を確立することを目的としている。 19年度は、1.新たなECM抽出方法を検討し、そのECM成分を用い細胞の接着性、増殖性などの特性を検証、2.子宮内膜間質細胞の増殖性に及ぼす栄養膜細胞の作用、3.子宮内膜細胞に発現するECM分解酵素であるEMMPRINおよびMMP14、について検索した。 子宮内膜・胎盤組織をデオキシコール酸塩で処理し、細胞成分を除いた。このECMを培養皿に塗布し、清浄環境下で約1週間乾燥させた。ECM塗布培養皿に培養液を2日間浸した後、ウシ子宮内膜間質細胞を播種したところ、凹凸を持つECMに細胞が接着、増殖した。約1ケ月後においても細胞は剥がれることなくECM上に位置し、破れにくいシート状の状態を保持した。この細胞シートにウシ栄養膜細胞系、BT-1細胞を播種したところ、接着、増殖が確認できたことから、生体外での子宮様細胞シート作製の基盤が確立できたと考えられる。第2項の検証では、栄養膜細胞成分は子宮内膜間質細胞の増殖促進を示した。その促進にはアクチビンが関連することが判明した。3項では、in situ hybridizationによりEMMPRINおよびMMP14が内膜上皮、間質、腺上皮に発現することを確認した。その内、MMP14は子宮小丘に特異的に高発現することを認めた。これらのことから本研究で確認できた技術と情報は生体外での着床機構解明ツールの基盤となることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)