2006 Fiscal Year Annual Research Report
家畜卵の発生工学への利用性向上を目指したタンパク質合成・分解制御機構の解析
Project/Area Number |
17380173
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
内藤 邦彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20188858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 不学 東京大学, 大学院新領域創生科学研究科, 助教授 (20175160)
千田 和広 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (00192188)
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Keywords | 哺乳類卵 / タンパク質合成 / タンパク質分解 / Aurora A / APC / cdc20 / cdh1 |
Research Abstract |
本研究は、哺乳類卵の初期発生過程において胚の正常分裂増殖のためのタンパク質合成と分解を制御する分子機構を解明することを目的とした。特にブタ卵減数分裂過程を例にとり、タンパク質の合成関連因子としてAurora A、また分解関連因子としてユビキチン・プロテアソーム系に働くユビキチンリガーゼの分裂後期促進複合体(APC)を活性化する因子であるcdc20,cdh1に注目し、17年度にはこれらのブタ遺伝子のクローニングに成功しジーンバンクに登録した。 17年度にはブタ卵内のAurora Aタンパク質量が体細胞の約100倍という高濃度であり、その機能の重要性を示唆したにもかかわらず、Aurora A mRNAのブタ卵細胞質注入による過剰発現では減数分裂に大きく影響しなかった。そこで本年度は構成的活性型変異体のCA-Anrora Aを作製し、そのmRNAを注入したところ、cyclin Bの著しい増加と減数分裂再開の促進が見られた。また昨年度はアンチセンスRNAの注入による発現抑制でも影響が無かったが、本年度は、あらかじめ卵内のタンパク質を枯渇させた条件でその機能を調べた結果、減数分裂再開の抑制が明らかとなり、ブタ卵のタンパク質合成に果たすAurora Aの役割の重要性を初めて示すことができた。 Cdc20、cdh1についても本年度はアンチセンスRNA注入による発現抑制を行い、cdc20抑制では第一減数分裂中期(MI)以降で本来分解されるべきcyclin Bの分解が抑制され、MI期で停止すること、またcdh1抑制では早期にcyclin Bが蓄積され減数分裂の再開が早まることを示した。この結果はブタ卵の減数分裂過程ではcdhlが初期に働き早熟な減数分裂再開を抑制していること、またcdc20が第1分裂から第2分裂への移行時に働くことを明らかにした。またmRNAの注入による過剰発現により、cdhlの早熟な減数分裂再開抑制作用を再確認し、またcdc20がcdh1の基質となることを示唆するなど、タンパク質分解の制御機構への知見を深めることができた。
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Research Products
(3 results)