2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380177
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小沼 操 Hokkaido University, 名誉教授 (70109510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教援 (90250498)
田島 朋子 大阪府大学, 生命環境科学研究科, 助教 (90173145)
今内 覚 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教 (40396304)
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Keywords | キララマダニ / オスダニ精巣因子 / 抗ダニワクチン / コイタマダニ / ボラキシン |
Research Abstract |
吸血中のコイタマダニ精巣から候補抗原を探索するため発現遺伝子解析法(Expressed Sequence Tag: EST法)を行った。得られた塩基配列はデータベースに登録されている塩基配列と比較し、精巣内での発現遺伝子の網羅的解析を行った。また、キララマダニ(Amblyomma hebraeum)でメスダニに対して吸血促進効果が報告されている精巣由来分子、Engorgement Factorを標的として相同性クローニングを行った。コイタマダニの精巣cDNAライブラリーから得られた遺伝子を解析したところ、シカダニ(Ixodes sulcatus)のオス特異遺伝子(Is5)に類似したcDNAが1クローン得られた。この遺伝子(RAMF)は吸血中のオスダニ精巣に特異的に発現しており、予測アミノ酸配列からシグナル配列と糖鎖付加部位が推測されたため、交尾時のオスダニで精包に分泌されている分子であると考えられた。組み換えRAMFを作成・精製し、未交尾メスダニの血体腔に組み換え体を接種したところ、有意な吸血助長効果は見られなかったが、メスダニの吸血期間が延長する効果が認められた。このことから、交尾中にオスからメスに受け渡されメスの吸血行動に関与することが確認された。 コイタマダニから相同性クローニングによってEngorgement Factorに類似した遺伝子が得られたため、この配列から5'および3'-RACE法によって完全長cDNAを得た。コイタマダニ由来のEngorgement Factor類似遺伝子は分子量16.9kDaのタンパク質をコードするとされ推測され、予測アミノ酸配列がIs5と80%と高い相同性を持っていた。RT-PCRおよびreal-time RT-PCRによる解析から吸血に伴い精巣で優位に発現する遺伝子であることが確認された。
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Research Products
(14 results)